土・砂・石はどこにでも捨てていいというのは大間違い|不法投棄をせず正しく処分する方法

この記事では、土・砂・石の処分方法を5つご紹介します。

ガーデニングやアクアリウム、観葉植物といった趣味をお持ちの方であれば、定期的にこれらを交換しなければなりません。その際不要になったものはどのように処分したら良いのでしょうか。

自然のものだからといって適当に山や川などに持って行って捨てると、不法投棄になる場合もあります。正しい方法を知って適切な処分を行いましょう。

目次
  1. 1. 土・砂・石を捨てる際の注意点|気付かず不法投棄をしていることも……
  2. 1.1. 1土・砂・石は「自然物」なのでゴミではない
  3. 1.1. 2枝や草は燃えるゴミで出せるが、土・砂・石は出せない理由
  4. 1.1. 3家庭で利用したものは自然物ではなくなるため自然に戻してはいけない
  5. 1. ではどう処分したらいい?処分する方法は5つあります。
  6. 1.1. 1処分方法① 庭に撒く
  7. 1.1. 2処分方法② 自治体でゴミとして捨てる
  8. 1.1. 3処分方法③ ホームセンターで引き取ってもらう
  9. 1.1. 4処分方法④ 石材店・植木屋に引き取ってもらう
  10. 1.1. 5処分方法⑤ 土・砂・石の回収専門業者を利用して処分してもらう
  11. 1. 土・砂・石は処分が特殊 正しい処分を行いましょう

土・砂・石を捨てる際の注意点|気付かず不法投棄をしていることも……

基本的に「いらなくなったもの=ゴミ」という認識をお持ちの方も多いとお思いますが、土・砂・石は「ゴミ」とはならない場合があります。とても重要なことなので処分する上でちゃんと理解しておきましょう。

1土・砂・石は「自然物」なのでゴミではない

いらなくなった土・砂・石をゴミとして処分しようと考える人もいらっしゃるでしょう。ゴミの捨て方や分別区分は自治体によって異なりますが、多くの自治体でこれらはゴミとしての処分を受け付けていません。

これらはもともと自然界に存在するものであり、人間が生み出したものではありません。家庭菜園やアクアリウムでそれらを使うというのは、自然を再現するための方法ですよね。つまり、土・砂・石は自然物なのです。

そうした自然物というのは「ゴミ」に当たるのでしょうか?百科事典によると「ごみ処理」については以下のように定義されています。

”日常生活や事業活動に伴って生じるごみを、公衆衛生の向上を図り、生活環境を保全するために保管、収集、運搬、中間処理、あるいは最終処分すること。”

引用:コトバンク:日本大百科全書(ニッポニカ) 「ごみ処理」

つまり、紙やプラスチックのような人間が生産して消費する上で生まれる不要物のことはゴミとなります。そうではない土・砂・石はゴミではないというのが、一般的なゴミ処理における考え方なのです。

自治体ごとに異なりますが、基本的には土・砂・石はゴミとして認識されておらず、分別区分も決まっていない場合が多いです。自治体ごとに異なりますので確認が必要ですが、ゴミとして捨てられないことも多いので注意しましょう。

2枝や草は燃えるゴミで出せるが、土・砂・石は出せない理由

自然のものとしては他にも草や木の枝といったものもありますが、これらは燃えるゴミとして収集している自治体が多くあります。枝や草であれば収集されるのに、土・砂・石はゴミとして収集されないのにはもう一つ理由があります。

それは、土・砂・石の場合、粉砕機械の故障に繋がる可能性が高いからなのです。ゴミ処理を行う中で粉砕機械によってゴミは細かく粉砕されます。その時にこれらが入り込むと、粉砕機械の刃を欠かせたり、詰まらせる原因になってしまいます。

土・砂・石を「処理困難ゴミ」として認定し、収集不可にしている自治体もあります。粉砕機械の故障に繋がるものが入り込まないようにするために、ゴミとして捨てられないという理由もあるのです。

3家庭で利用したものは自然物ではなくなるため自然に戻してはいけない

不要になった土・砂・石を、山や川に捨てに行こうと考えている方がいたら、それは非常に危険な考えです。不法投棄として罰金を取られる可能性もあります。

土・砂・石は自然物であると先述しました。しかし、ガーデニングや家庭菜園で使うために一度自然から持ってきたものは、「自然物ではなくなる」のです。

家庭菜園をされている方であれば、これらの他に肥料を使うことで野菜の成長を促します。そうした肥料の中には化学物質が含まれています。また、虫がつかないために農薬を撒くこともあるでしょう。水やりひとつを見ても、下水道の水と自然の水では成分が異なります。

一度自然を離れたものはこうして別の成分を含むことになります。そのため、成分の変化した土や砂を自然に戻すと、自然破壊に繋がる危険性もあるのです。

自然のものだから自然に戻せばいいとお考えの方もいるかもしれませんが、自然破壊や不法投棄による罰金の対象にもなってしまいますので絶対に行わないようにしましょう。

ではどう処分したらいい?処分する方法は5つあります。

自治体がゴミと認めていない場合はゴミ収集場に持って行ってはいけない。とは言え、山や川、公園や学校などで自然に戻そうとすると不法投棄になる。

家庭で使って不要になった土・砂・石は、こうした特殊な特徴を持ち合わせているのです。

ではどうやったら処分できるのか?処分するためには、

・庭に撒く
・自治体でゴミとして捨てられる場合はゴミとして捨てる
・ホームセンターで引き取ってもらう
・石材屋、植木屋に引き取ってもらう
・土・砂・石の回収専門業者に引き取ってもらう

という5つの方法があります。ここからはそれぞれの方法について解説していきます。

1処分方法① 庭に撒く

一つ目は、自宅の敷地内に撒いて処分するという方法です。

山や川などの自然に戻すと不法投棄になる可能性がありますが、自宅の敷地内であれば問題ありません。プランター1つ分の土や小規模のアクアリウムで使った石など処分量が少ない場合は自宅内で処分するのがもっとも手軽です。

処分量が多い場合や、廃棄するのに十分なスペースがない場合はこの方法は使えません。また、アパートやマンションにお住いの場合は、敷地内でも公共の場になりますので廃棄できません。

そうした場合は以下で紹介する自治体や業者に依頼しての処分を行いましょう。

2処分方法② 自治体でゴミとして捨てる

捨てられる自治体と捨てられない自治体がある

ゴミの処理方法については全国の自治体で統一されておらず、各自治体ごとに収集できるものとできないもの、分別区分などが異なります。

そのため、土・砂・石をゴミとして処分できるかどうかは、お住まいの市区町村の自治体に問い合わせて確認する必要があります。ホームページでも分別方法や収集可能品目の掲載がある自治体もあります。

しかし、これらは先述したように少し特殊な品目になりますので、ホームページ上では表記のない場合もあります。その場合は電話で確認して処分方法を確認しましょう。

「環境事業課」や「清掃リサイクル管理課」など問い合わせ窓口も自治体によって異なりますので、まずは自治体の代表番号にかけて、「土や石を捨てたいので方法を教えてください」と伝えてみてください。

自治体でゴミの区分が異なる

自治体に電話で処分方法を確認すると、

・「捨てられるか捨てられないか?」
・「捨てられるとしたら分別区分と捨て方はどのようにしたら良いか?」

といったことを教えてくれます。

処分できる場合でも自治体によって処分区分が異なります。下の表は自治体別の「土」の処分区分の違いです。

自治体名 土の処分方法
大阪市など 「普通ごみ」として小分けして出す
横浜市、札幌市、福岡市など 少量にし、「不燃ゴミ」として出す
東京都 品川区、台東区、武蔵野市など 収集は行なっておらず「持ち込みのみ可」
東京都 世田谷区など 収集も持ち込みも不可(捨てられない)

このように自治体によって処分できるかどうかとその方法を全く異なります。また自治体により、土などの品質や量や回収時期が指定されていることもあります。
自分で判断せず、必ず上記の方法で自治体に確認をしてから処分するようにしましょう。

自治体が回収していない場合は処理業者へ持ち込みになる場合も

お住まいの自治体で土・砂・石の収集を行なっていなかった場合、自治体が認可している廃棄物処理業者を紹介されることもあります。

廃棄物処理業者を利用して処分することもできますが、

・有料
・収集は行なっていない場合が多い
・処理場まで持ち込みが必要

といったデメリットもあります。

先ほど東京都の品川区や台東区でも「持ち込み」であれば土の処分ができるという事例がありましたが、持ち込みは非常に大変です。私も以前プランターの土を処分する際に、小さめの容器1つ分だから持ち込みを試してみましたが、部屋から運ぼうとすると結構な重さがあり、車の座席に乗せてこぼれないように固定するのも一苦労でした。

一般的なプランターは65cmほどのサイズですが、その中の土や石は10kgほどにもなると言われます。もしまとまった量を処分されるのであれば、持ち込みでの処分よりも引き取りに来てくれる業者を選んだ方が良いでしょう。

3処分方法③ ホームセンターで引き取ってもらう

3つめはホームセンターで引き取ってもらうという方法です。ホームセンターの中には、不要になった土を引き取ってくれるお店もあります。

関東圏ではユニディ島忠・HOMEといったホームセンターが引き取りに対応しています。基本的には同店で園芸用の土を買った場合のみ処分を引き受けてもらえることが多いです。こうしたお店では敷地内に回収用のコンテナを用意して、その中に捨てることができます。

しかし、全国的に見ると引き取りを行なっているお店は非常に少ないと言えます。大手ホームセンターのカインズモールやコーナン、ケイヨーデーツーなどでは2019年8月現在不要になった土の引き取りは行なっておりません。

もしお近くのホームセンターにて引き取りサービスがあれば利用しても良いと思いますが、「持ち込み」での処分になりますので労力はかかってしまいます。

また、ホームセンターでは基本的には石や砂の引き取りは行われていないことが多いです。

4処分方法④ 石材店・植木屋に引き取ってもらう

土や石を専門で扱う業者と言えば石材店や植木屋、造園屋があります。これらのお店は基本的には庭やエクステリアの手入れや外構工事が主なサービスですが、その一環として「庭のお手入れなどで出たゴミの処理」を行なっているところもあります。

基本的には有料になりますが、「近くで作業がある日についでに寄る」といった感じで格安に処分することができる場合があります。

インターネットで「お住いの地域名 造園屋」などで検索すると、近くのお店が出てきます。不要になった土や石の処分に困っている旨を伝えて、引き取りに来てもらえないか確認してみてください。

5処分方法⑤ 土・砂・石の回収専門業者を利用して処分してもらう

最後に紹介するのが、土・砂・石を専門に扱う回収業者や不用品回収業者に依頼する方法です。この方法であれば、正しく処分することができます。

関東圏では土・砂・石の専門業者だと信太商店ウィステリアガーデンなどが出張回収を行なっています。その他の地域にも回収業者はありますので、インターネットで「地域名 土 回収業者」などで検索してみてください。

こうした業者も有料での処分になりますが、持ち込む必要はありません。労力の部分では楽に処分することができます。

収集の代金は業者によって異なりますが、ウィステリアガーデンでは以下の料金体系を取っていますので目安にしてください。

料金は基本料(出張料)+1キロ当たりの回収費で数千円程度かかることが多いです。もちろん事業所から遠い場合や回収するものが多いほど料金が高くなります。事前に料金を確認しましょう。

中にはダンボールに詰めて送ることで回収をしてくれる業者もいます。土の回収ドットコムでは宅配収集キットを取り寄せ、不要になった土を入れて送るだけで処分できます。

また、こうした専門業者が近くにない場合には、不用品回収業者でも引き取り処分を多なっています。不用品回収業者であれば土・砂・石だけでなくプランターや水槽など他のものも一括でまとめて処分できますのでおすすめです。

不要になった土・砂・石が自治体で処分できない場合には、こうした専門業者を使ってみてはいかがでしょうか。

土・砂・石は処分が特殊 正しい処分を行いましょう

以上が土・砂・石の処分方法です。これらは自治体では捨てられない地域も多いのが現状です。

とは言え、不要になった土を放置しておくと菌が湧いたり、ゴミとなったプランターや水槽が散らかって景観を損ねかねません。

これらに特化した回収業者やいらなくなったものをまとめて持って行ってくれる不用品回収業者を使えば、楽にそれらを処分することができます。

再度申し上げておきますが、池や山に処分すると不法投棄となり罰金が課せられることもあります。お金がかかっても、正しい処分方法を取るようにしましょう。