殺虫剤が効かない可能性も?!チャバネゴキブリの駆除と対策方法
ゴキブリにも多くの種類が存在します。
そのなかで、飲食店で主に見かけるチャバネゴキブリは、私たちが普段の生活をするうえで突然現れるクロゴキブリとは違い、少々厄介な存在です。では、そんなチャバネゴキブリはクロゴキブリと何が違うのでしょうか? そしてどのような対策を取ればいいのでしょうか?
目次
- チャバネゴキブリと他のゴキブリの違い
- 1あっという間に増える、成長速度と繁殖力
- 2薬剤に対する抵抗性を持つことがある
- 3行動範囲が狭く、寒さに弱い
- 4屋内でしか繁殖できず飲食店などに多い
- 殺虫剤が効かない?! スーパーゴキブリとは
- 1スーパーゴキブリが生まれるのはなぜ?
- 2殺虫成分が効かなくなるのはなぜ?
- 3チャバネゴキブリ以外もスーパーゴキブリになる?
- 4スーパーゴキブリを生まないためにはどうすればいい?
- チャバネゴキブリはどこから入ってくるのか?
- 1カバンに侵入・あるいは届いたダンボールに入っていた
- 2同じマンションの1階や近くに飲食店がある
- 3入られないようにする対策は?
- チャバネゴキブリの駆除方法
- 1駆除方法は他と同じだけど、一気にやることがポイント
- 2古い殺虫剤を使い続けない
- 3どうしても殺虫剤が効かない場合
- チャバネゴキブリは繁殖が早く、抵抗力も高いので厄介! 駆除は一気にやろう
チャバネゴキブリと他のゴキブリの違い
チャバネゴキブリの成虫は体長約1~1.5cmで黄褐色をしており、普段見かけるゴキブリよりも小さいです。チャバネゴキブリは、海外から来た外来種のゴキブリになります。もともと熱帯の温かい国の出身の昆虫なので、暖かく湿気のある場所を好みます。半透明の光沢がある羽を持っていますが、飛ぶ事はできません。
1あっという間に増える、成長速度と繁殖力
チャバネゴキブリの繁殖力は、クロゴキブリとは比べ物にならないくらいにを大きく上回ります。チャバネゴキブリの卵鞘(卵が入った固い袋のようなもの)1つあたり、卵の数は約40個とされています。
仮定として、120日の寿命の間に40個の卵が入った卵鞘(らんしょう)を5回産むとします。すると、幼虫は200匹生まれます。そしてその200匹中、オスとメスは1対1ですべて生き残ると仮定します。その中のメス100匹が、一生の間に卵40個が入った卵鞘を5回産むとすると、孫の世代には20000匹という大変な数となります。
2薬剤に対する抵抗性を持つことがある
室内の限られた場所で大量に増殖したり、駆除業者などによって薬剤を大量にまかれる機会が多かったりすると、殺虫剤に対して抵抗性を持つことがあります。
詳しくは下記の「スーパーゴキブリ」についてを参照ください。
3行動範囲が狭く、寒さに弱い
チャバネゴキブリの行動範囲は、巣から約2~3メートルとそれほど広くはありません。チャバネゴキブリを発見したら大体のその近くにチャバネゴキブリの巣があると思われます。
また、上記のようにチャバネゴキブリ、あたたかい環境を好むので、基本的に主に現れやすい飲食店から出ることはありません。
4屋内でしか繁殖できず飲食店などに多い
家庭で見かけないことはないですが、主にあたたかい環境とたくさんの水、食べ物を約束された飲食店で多く発見されます。
殺虫剤が効かない?! スーパーゴキブリとは
殺虫剤が効かない「スーパーゴキブリ」は言い換えると、「殺虫剤への抵抗性が発達しているゴキブリ」のことです。さらに、ここでいう殺虫剤とは、ゴキブリ専用のものだけでなくハエ、ダニ、ノミなどの他の虫を駆除できる製品も含まれます。さらに殺虫成分が含まれた殺虫スプレーだけでなく、ベイト剤においても同じ問題が生じているので、その厄介さに拍車がかかっているのです。
1スーパーゴキブリが生まれるのはなぜ?
チャバネゴキブリは、クロゴキブリなどに比べて一定期間に重ねる世代数が多く、殺虫成分による淘汰を受ける回数が多いのです。例えば、飲食店100匹以上のチャバネゴキブリが生息していたので、定期的に殺虫剤を散布したとしましょう。すると、大半のチャバネゴキブリは撒かれた殺虫剤によって死にますが、大抵は数匹の生存が確認されます。ほかのゴキブリの陰に隠れて少ししか殺虫成分に触れなかったか、少ししか吸い込まなかった個体が生き残るのです。それらの生き残りはそれぞれに次の世代を生んで増殖するので、また殺虫剤が撒かれる…というサイクルが繰り返されるうちに、結果として、殺虫成分に強い個体が選ばれて、遺伝的な抵抗性が発達していくのです。
1. 行動範囲が狭くて同じ場所で世代を重ねていく
2. 薬剤が大量にまかれて対策される工場や飲食店などで駆除しきれずに生き残ったものが卵を産む(チャバネが住みやすい環境と一致)
3. 短い期間であっという間に繁殖する
これの繰り返しで同じ薬剤に対する抵抗性が高くなっていく
2殺虫成分が効かなくなるのはなぜ?
抵抗性が発達したゴキブリは、殺虫成分が効いていく過程のどこかで、中毒をくぐり抜けるしくみを備えています。抵抗性のしくみは、大きく分けて以下の3つになります。
● 体の内的変化(酵素などの解毒と感受性の変化について)
殺虫成分が効果を及ぼす神経細胞などの反応が鈍くなっている。いわば一部で起こっている不感症です。この感受性が低下してしまっていると、殺虫成分が効かないことがあります。
● 体の外的変化(外皮が厚くなるなどで薬剤が浸透しにくい)
世代を重ね、度重なる殺虫剤の抵抗性によって皮膚が厚くなるなどによって強くなっていき、薬剤成分が浸透しにくくなります。
● 好み(毒餌を食べるものだけが淘汰され、食べないものが生き残った)
ベイト剤を好まない、または興味を示さないゴキブリが生き残ったことでべいとざいによるたいさくがむずかしくなりました。
3チャバネゴキブリ以外もスーパーゴキブリになる?
実は、一般家庭でよく見られるクロゴキブリなどの大型のゴキブリは、殺虫成分への抵抗性はほとんど発達していません。スーパーゴキブリは、おもに、工場や飲食店で繁殖するチャバネゴキブリで問題になっているのです。
4スーパーゴキブリを生まないためにはどうすればいい?
一般家庭でよく出るクロゴキブリの大型のゴキブリなどに関しては抵抗性が備わる心配はありませんが、チャバネゴキブリの抵抗性にはどうやって抵抗すればいいのでしょうか?
上記の漫画のように、殺虫剤を複数所持し、それらをローテーションで使用するという対策をするのもいいですが、この方法で注意したいのは、一度生じた抵抗性は維持される可能性があり、買ったすべての殺虫剤が効かなくなるまで使用する、あるもので何とかしのぐイメージです。
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チャバネゴキブリはどこから入ってくるのか?
チャバネゴキブリは移動範囲が狭いので、クロゴキブリと違って外から入って来るというのはあまりありません。では、どのように侵入して来るかというと、私たち自身が自分の自宅に招き入れている場合が多いのです
1カバンに侵入・あるいは届いたダンボールに入っていた
チャバネゴキブリの生息している場所、または工場や飲食店に行き、知らぬ間に持ち物にゴキブリや卵が入り込み、持ち運ばれる事があります。また、宅急便などの宅配サービス等の荷物にゴキブリが混入、卵が付着した場合があります。
2同じマンションの1階や近くに飲食店がある
どれだけバック内にゴキブリが侵入するのを防ぐために配慮をしていても、チャバネゴキブリが潜んでいる可能性がある飲食店が近くにあると、外の侵入経路からチャバネゴキブリが入り込む可能性があります。
3入られないようにする対策は?
● カバンが開いた状態で床に直置きなどをしない
かばんは開いた状態で置かず、必ず口をしめられるところはしっかりとしめましょう。また、床に直置きはせず、飲食店によっては荷物置き用の籠が置かれていると思うのである場合は遠慮なくご使用ください。籠がなくて不安な場合、荷物は自身の膝の上か向かい側の席に置くなどをすると良いでしょう。
● スーパーなどゴキブリが居そうな所のダンボールを持ち帰らない
「授業の工作のため」「実家に荷物を届けたい」などの理由でスーパーなどから段ボールを持ち帰るのも、チャバネゴキブリを家に連れて行かないためにもおすすめはいたしません。これらの行動は、自身の家にチャバネゴキブリを連れてくるだけでなく、送った家にゴキブリを送ってしまう事にもつながります。
もし、どうしても持っていきたい場合、必ず外と中、段ボールの隙間をよく確認して持ち帰りましょう。
● ダンボールは長期間保存しない
持ち帰った段ボールはなるべく早く処分してください。自身の家に潜んでいるチャバネゴキブリやクロゴキブリが、その段ボールを巣にしてしまう可能性があります。段ボールは「あたたかい」「暗い」「餌がある」というゴキブリにとっては天国のような場所なので、使わない段ボールの放置は絶対やめましょう。
● 家の中の侵入しそうなところは塞いでおく
チャバネゴキブリに限ったことではありませんが、ゴキブリの侵入経路を塞いでおくのも大事になります。特に「エアコンのドレンホース」「排水管を通すために床や壁に開けた穴」「給排気口」は意外に見落としがちなゴキブリの侵入経路になります。エアコンのドレンホースや給排気口は、防虫網や防虫キャップ、どちらもない場合はストッキングで代用することで侵入を防ぐことができます。
排水管を通すための穴は、防水パテや防水テープでしっかりと塞いでください。塞がれている場合も、劣化してわずかなすき間ができる場合があるので注意してください。窓、玄関のドア、換気扇などは塞ぐのが難しいので、室外・室内に忌避剤などのゴキブリよけを設置してゴキブリの侵入を抑えましょう。
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チャバネゴキブリの駆除方法
1駆除方法は他と同じだけど、一気にやることがポイント
チャバネゴキブリの駆除方法は、基本的には普段現れるクロゴキブリと同じになります。しかし、他のゴキブリと違って繁殖力の高さは日本に生息しているゴキブリの中では1番なので、駆除する際はあらゆる隠れ場所を隅々まで調べ、一気に駆除しましょう。
繁殖力も成長速度も高いチャバネゴキブリは一気に駆除しなければ生き残りを出してしまい駆除しきれなくなります。私たちにできる駆除の方法は、なるべく新しいベイト剤を短い間隔で、潜んでいそうな場所に徹底的に仕掛けると良いでしょう。
チャバネゴキブリは行動範囲が極端に狭いので、隠れ場所を作りやすく、最低でも水分を取れる場所である、キッチン、トイレ、浴槽、洗面台の各隅や裏に巣を作るので、それらの場所にベイト剤を設置すると良いでしょう。
2古い殺虫剤を使い続けない
古い殺虫剤を使わず、自分たちがこれまで使用してきた殺虫剤には含まれていない成分の製品を使うのも手です。さらに有効と言えるのは、新しい殺虫成分が開発されることですが、現在は残念ながらゴキブリの駆除用としての製品はまだありません。
3どうしても殺虫剤が効かない場合
どうしても殺虫剤を使用して駆除しても全く死ぬ気配がない場合、勇気を出しで物理で殴ったり、スリッパなどで足をカバーしつつ踏んで潰すか、洗剤をかけてゴキブリのチャバネゴキブリの気門を塞いで窒息死を狙いましょう。
いくらスーパーゴキブリ化したチャバネゴキブリとはいえ所詮は一匹の昆虫なので、昆虫特有の弱点や、人間の物理的攻撃には敵わないはずです。あまりにも増えすぎて自身では対処しきれない場合は専門業者に依頼しましょう。
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チャバネゴキブリは繁殖が早く、抵抗力も高いので厄介! 駆除は一気にやろう
チャバネゴキブリの抵抗性の発達はゴキブリの強靭な生命力のあらわれです。殺虫剤という武器を生み出した私たち人間の知恵とゴキブリの生命力の戦いは今でも長く続いております。自宅でチャバネゴキブリが大量発生し、お持ちの殺虫剤が効かない場合は、抵抗性が付くのを遅らせるために殺虫剤をローテーションで使用したり、使ったことのない殺虫成分が含まれた製品を使用するなど試してみましょう。
その驚異的な繁殖力が災いし、どれだけ駆除しても一向に被害が減らない場合、生活環境を変えるか、専門業者に任せてもらった方が得策です。
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