大量に残ったらどうする?ペンキの具体的な処分方法
DIYや日曜大工には欠かせないペンキ。最近はDIYブームの追い風もありペンキを手軽に入手できるようになりました。
しかし、ペンキを大きな缶で購入しても、実際には想定していたより少しの量で足りたということもよくあります。その結果、思っていたよりも大量にペンキが残ってしまった、という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、ペンキが大量に残ってしまった場合、どのように処分したら良いのでしょうか。今回は、ペンキの具体的な処分方法について解説します。
目次
ペンキを処分する前に確認すべきポイント
ペンキの処分の方法として、大きく分けて譲渡、廃棄の二つの手段が挙げられます。
譲渡は、ペンキを必要としている人に譲る方法です。まだ買って日が浅い場合や、ペンキの残りが8割~9割程度であれば譲渡しても十分に活用してもらうことができます。
廃棄は、自治体の分類に従ってゴミとして処分する方法です。自治体ごとに処分方法は異なりますので、ルールに従って廃棄することが大切です。
ただし、ペンキを処分する前に、いくつか確認しておきたいことがあります。まずは、確認事項をきちんと確かめてから処分の方法を検討しましょう。
1水性か油性かを確認しておく
まず、ペンキが水性なのか、油性なのかを確認しておきましょう。水性か油性かは、缶の裏面などに記載してあります。
もし缶が汚れてしまい判別できない場合や、元々の缶を捨ててしまった場合は、ペンキを少しだけ取って水の中に落としてみましょう。
水性のペンキは水で薄めることができますが、油性のペンキは専用の「ペンキ薄め液」などの溶剤を使わなければ薄めることができません。
したがって、水中に落としたペンキが水で溶ければ「水性」、溶けずに固まったり沈んだりするようであれば「油性」と見分けることができます。
2譲渡する場合は保管環境に注意
ペンキが開封済であっても、まだ状態がよく、8割以上が残っている場合は、欲しい人を募って譲渡を検討してみるのも良いでしょう。
ペンキを譲渡する場合、希望者へ引き渡しをするまでの保存環境に注意が必要です。
ペンキを保管しておく環境としては、なるべく日が当たらず、高温多湿にならないような場所で保管しておくのが望ましいです。涼しい場所のほうが好ましいですが、夜間に凍結するような低温になる場所も保管には適していません。
保存する場所が悪いと品質の劣化が進みやすくなります。開封済のペンキを譲渡する場合は、温度、湿度が一定で、直射日光の当たらない場所に保管しておくようにしましょう。
ペンキを中古品として処分する方法
ペンキの具体的な処分方法として、どのような方法があるでしょうか。譲渡、処分の二つの方法について、詳しく解説します。
1フリマサイトやオークションサイトで売る
【メルカリ(https://www.mercari.com/jp/)】
メルカリやラクマといったフリマサイトで引き取り手を探す方法です。
まだ状態が良く、内容量が8割~9割ほど残っていれば買い手が現れる可能性があります。
ただし、開封後の保存状態が悪く、品質が劣化しているものや、内容量が7割以下のものはトラブルになる可能性がありますので、出品しないで廃棄処分するようにしましょう。
2希望者への譲渡
ジモティーなどの地域掲示板で希望者を募り、引き取ってくれる人を探す方法です。近所まで引き取りに来てくれる人、など条件をあらかじめ指定しておけば、引き渡しもスムーズに行うことができます。
また、近所に大学がある場合、演劇サークルや美術サークルなどペンキを必要としているサークルに寄付を持ちかけるのも良いでしょう。余ったペンキを使ってくれそうな大学やサークルがないか探してみるのも良い方法です。
3廃棄処分
自治体のルールに従って、ゴミとして処分する方法です。ペンキの中身だけではなく、缶やスプレーといった容器もきちんと分別して廃棄する必要があります。
次の項目で、ペンキを廃棄物として処理するための具体的な方法や、分別の際に気を付けたいことなどを詳しく解説します。
ペンキを廃棄物として処理するには?
ペンキを廃棄物として処理するためには、まず正しく分別することが大切です。
こちらの項目では、東京都の大まかなゴミ処分の規則を参考にして執筆しています。お住まいの自治体によって細かい分別やルールが異なる場合がありますので、必ず分別の規則を確認してから廃棄作業を進めるようにしてください。
1塗料の捨て方
塗り広げるのに使用した刷毛を手洗い場などで洗うのは、水性塗料であれば問題ありません。ただし、水性塗料は水に溶けるから、と排水口に流してしまう人がたまにいますが、水性塗料をそのまま排水口に流すのは、下水にも環境にも負担がかかりますのでやめましょう。
油性塗料の場合、刷毛などを洗うための専用の薄め液は有機溶剤で作られているので、絶対に下水に流してはいけません。同様に油性ペンキも水に溶けないという性質を持っているので、下水に流すと大変なことになります。
薄め液を処分する場合も、ペンキと同様に布などにしみこませて、乾燥させてから可燃ごみとして処分しましょう。
なお、塗料も、薄め液の処分も、必ず風通しのよい場所で作業を行うようにしてください。特に油性塗料の場合、有機溶剤が含まれているので、風通しの悪い場所で作業を行うと気分が悪くなったり、体調に異変が起きたりする可能性があります。
2缶のサイズに要注意
手で持てるような小さなサイズの缶の場合は、内側を不要な布や紙できれいにふき取ってから金属ゴミに廃棄しましょう。
ただし、一斗缶などの大きなサイズの缶の場合、自治体によっては粗大ごみとして分類され、個別回収などの対応が必要になります。
一斗缶は高さがおよそ35センチ、幅がおよそ24センチです。一辺が30センチ以上のものを粗大ごみとして定めている自治体もあれば、一斗缶を「かん、びん、ペットボトル」に分類している自治体もあります。
自治体によって粗大ごみのルールはまちまちなので、必ず現在お住まいの地域の粗大ごみの基準に当てはまるかどうかを確認してから処分するようにしましょう。
3粗大ごみの具体的な処分方法
粗大ごみは、ゴミステーションからの回収ではなく、申し込みを受け付けた家からの戸別収集を行っている自治体が多いです。
粗大ごみの戸別回収に申し込む場合、ホームページなどから申請できる自治体もあれば、電話での予約が必要な自治体もあります。
戸別収集を申し込んだ場合、まず品目とサイズを聞かれますので、大きさをあらかじめ測定してメモしておきましょう。
申し込みが完了すると、回収日と料金の案内が来ます。多くの自治体では粗大ごみ回収用の引換券を販売していますので、料金分の引換券をお釣りが出ないように購入し、粗大ごみに貼り付けておきましょう。一斗缶の場合、300円~500円程度のところが多いです。引換券の購入場所が分からない場合は、自治体のホームページなどに掲載されています。
あとは、回収日の指定時間までに玄関の外に出しておけば、担当員が回収に来てくれます。これで粗大ごみの収集は完了です。
4スプレー缶の場合はガス抜きの穴あけが必要かどうか確認
スプレー缶を処分する場合、自治体によって穴をあけてガスを抜いてから出すところと穴を開けないで中身を使い切ってから出すところがあります。また、スプレー缶の分類も、ビン・カンに分類しているところもあれば、危険物として出すところもあり、様々です。必ずお住まいの自治体のルールを確認し、それに従って出すようにしましょう。
5大量に残った場合は不用品回収業者に依頼するのも手
一斗缶サイズのペンキや大きなサイズのペンキが大量に残っている場合、個人でペンキを取り出して処分するのは非常に手間がかかります。
そのような場合は、不用品回収業者に回収を依頼して回収してもらうのが良いでしょう。個人では処分が大変なペンキですが、産業廃棄物処理の資格を持っている業者なら適切な方法で一度に処分してくれます。
ペンキはなるべく使用時に使い切るのがベスト
ペンキは液体のまま処分することができないので、ペンキを大量に廃棄するには少し手間がかかります。
買ったばかりで中身が多く残っているペンキは引き取り手を探すという方法もありますが、中途半端に残ってしまった場合など、引き取り手を募集するのも難しいという状況のほうが多いでしょう。
ペンキはなるべく使用時に多く使い切り、廃棄の量を減らすようにするのが最善の処分方法です。大きな缶ではなく、小さな缶で小分けにして買うようにするなど、少しの工夫で廃棄を減らすことができますので、ペンキを使う際は是非試してみてください。