目次
- 1. リユースとは?
- 1.1. 1なぜリユースが必要なのか?
- 1.1. 2リユースの文化と歴史
- 1. その他リユースに関連する用語と簡単な解説
- 1.1. 13R
- 1.1. 2リデュース(発生抑制)
- 1.1. 3リサイクル(再生利用)
- 1.1. 4循環型社会形成推進基本法
- 1. 一部地域のリユース取組事例
- 1. 海外(途上国)の支援
- 1. リユースできるかどうかはどう見分けたらいい?
- 1.1. 1ほとんどのものはリユース可能
- 1.1. 2不衛生なもの・壊れたもの・破損がひどい物はリユースできない
- 1. 処分の前にリユース行動を取ってみよう
リユースとは?
リユースは一度使用したものをそのままの形でもう一度使うことで、再使用とも言います。
不要になったものを個人レベル(オークション、譲渡など)で取り引きする場合や、生産者・販売者が使用済みの製品・部品などを回収して修理、補修、点検などを行ってから再び製品や部品として再使用する場合などが含まれます。
例えば、「ビール瓶や牛乳ビンを洗浄・消毒して何度も使う」などがリユースにあたります。
1なぜリユースが必要なのか?
私たちは毎日、多くの物やエネルギーを消費して生活しています。
この日々の生活に伴って、私たちの目に見えるところ・見えないところで様々なゴミが排出され続けています。その結果、1年間に家庭などから出される一般の廃棄物はおよそ、5,115万トンに達し、東京ドームの約138杯分にもなります。このゴミを標準的な2トントラックに積み込むと、約2,500万台以上のトラックが必要になり、これは一列に並べると地球3周分以上の長さになります。また、工場などからも排出される産業廃棄物も含めるため、このような大量の廃棄物を処分するために多くの時間と経費をかけなければならないようになっています。これにより、廃棄処分に伴って発生するダイオキシンの対策や埋め立てなどの最終処分の不足、不法投棄の問題と言った課題が生じています。
このような課題を解決・廃棄物の排出を抑えるために、「リユース」という皆さん一人一人の行動が必要になっているということです
2リユースの文化と歴史
リユースというのは、時代を問わずに続いている文化です。ではいつ頃からリユースというのは始まったのでしょうか?
戦前や戦後は当時は物が少なく、必要なものをやっとの思いで買えるという時代でした。
特に衣類、家具や家電はその代表例です。とはいえ、少しずつ年月が進むにつれて衣類に関する認識が変わってきました。これがリユースの歴史の始まりと言われています。衣類をお下がりにしたり他の人に譲ったりなど、この古着の利用がリユースの文化を作ったのです。
現在のリサイクルショップなどは、その後継者とも言えます。
また、「綿」などの天然繊維はとても高価で希少価値が高かったので、衣類に対して愛着を持つのは当然の時代があったことでしょう。昔は、一般庶民にとってはどんなに小さな古布でも憧れていたと言われています。 そんな中で、古着屋の商売は17世紀に基盤ができていました。室町時代の絵画には古着屋が登場しています。この古着屋の始まりは、リサイクルショップや古物商などの買い取りの創設ともいえるかもしれません。当時は古着や古布を各地から集め、陸路・航路などで運んでいったという資料があります。その中では、明治14年頃に港の移出入品目には古着や古布が含まれており、数量や価格が記載されていました。また、戦後にはアメリカから大量の古着が輸入されており、都心で販売されていました。
その後、リサイクルショップの前身である古物商が全国に拡大されますが、1980年代に形態が変わり始めます。扱われる品目に幅ができていき、家具や家電等の扱いも始まりましたが、粗大ごみの処分が課題となり始めます。その後、リサイクル法が確立されることで、資源や廃棄物などの、分別と再使用が検討され、法律化されました。
その中で、リサイクルショップの理念や店舗が拡大していることは、リユースの文化が近年根付いてきていることがうかがえます。
その他リユースに関連する用語と簡単な解説
13R
ゴミを減らして、活かすために覚えてほしい3つ言葉、3つの頭文字「R」の総称のことです。
リデュース(R>educe)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つであり、今回の記事の主役であるリユースはその3Rの1つです。
2リデュース(発生抑制)
リデュースというのは、「抑制する」という意味を持ち、ゴミそのものを減らす行動の用語になります。
ゴミになるものをできるだけ貰ったり買ったりせず、マイバックを携帯し、必要以上にレジ袋を貰わない。必要な分だけを購入することがリデュース行動に繋がります。
3リサイクル(再生利用)
リサイクルは、「資源の再生利用」という意味であり、みなさんが一番多く耳にしたことがあるであろう用語です。
「リサイクル」=再利用と間違える方が非常に多いですが、厳密には再利用というのは最初に言ったようにリユースのことを指し、リサイクルというのは、不要になったものを回収した後、それを粉砕や溶解、分解などをした後、もう一度同じ製品に再生させたり、まったく違う製品に再利用することを言います。
私たちが自身でできることは、ペットボトルや空き缶、古紙などの再生可能な資源を住んでいる自治体のルールに従って正しく分別処分することです。 ただし、家電製品は鉄、アルミ、ガラスなどの資源が多く含まれているため、自分の力では分別のしようがありません。そこで、使用済みの家電製品を再商品化するための仕組みとして、平成13年4月に施行されたのが家電リサイクル法になります。
家電リサイクル方についてはこちらから
4循環型社会形成推進基本法
平成12年6月2日に公布された法案で、日本の循環型社会を推進する基本的な枠組みとなる法律です。
上記で説明した「3R」を適正処分の順に、処理の優先順位を定めました(3Rの法則化)
優先順位は1位から順に「リデュース」「リユース」「リサイクル」の順になります。
「まずはゴミを出さないように、使えるものは繰り返し使う。それでもゴミになってしまったら原料に使う」。という流れで、3Rの意味をしっかり理解し、それぞれの行動を実施することが今後大切になってきます。
一部地域のリユース取組事例
・リユース食品の利用促進
世界から60万人が集まる夏の風物詩「祇園祭」にはリユース食器が似合う 京都市(京都府)
毎年7月に開催される「祇園祭」には世界中から約60万人が集まり、20万食が消費されます。「エコ・イベント」として京都の祭りのお手本にしようという声があがり、屋台200店舗にリユース食器を導入し、回収拠点として「エコステーション」を設営しました。延べ2,000人のボランティアを集めるために市、事業者、大学等様々な主体が募集に協力しました。
・服のリユースの促進
古着のリユース・リメイク店舗を展開収益をアジアの人々との民間交流に活用 NPO法人WE21ジャパン(神奈川県)
リユース・リサイクルの活動に加え、社会問題を学ぶ「共育(ともいく)」、アジアなど世界各地との民間交流やフェアトレードを促す「民際協力」などの事業を行っています。現在は神奈川県内に55のリユース・リサイクルショップ「WEショップ」を展開しています。家庭で不用な衣類や雑貨を寄付してもらい、その販売収益を主にアジア地域の人びとの生活向上や自立のための支援などに活用しています
・その他のリユース活動
中には民間のリサイクルショップとは少し違った自治体などが主催する公営リサイクルショップもあります。 多くに自治体が「リサイクル」ではなく、「リユース」という名称を使っているため分かりやすいです。 非常に安い金額で大型の家具を購入できますが、引き取り出来ない品目が多いのも難点です
高額の家具を激安の価格で購入したい方はこちら
海外(途上国)の支援
日本国内には、経済成長や住宅事情の変化で需要がなくなった、質の良い「メイドインジャパン」の中古品がたくさんあります。それらを海外に輸出することで、必要としている外国の人たちに有効に再利用してもらうことができます。また、輸出前の商品仕分けや梱包作業などを地域の障害者の方々にお手伝いしていただくことで小さな雇用も生まれています。
フィリピンでは造りのしっかりした家具(無垢材・婚礼タンス)が人気です。さらに装飾が派手なものが特に好まれ、西洋風の装飾が施された家具や、洋食器のカップ・ソーサーセットなどが大人気です。マットレスタイプのベッドよりも折りたたみベッドが需要が高いです。
日本のアニメ・漫画なども知られており、キャラクターのぬいぐるみ・フィギュア・おもちゃも人気が高いのでとても喜ばれます。
そのため、多くのケースで廃棄するという選択肢になるのですが、もしまだ使えるものであれば、ただ同然でもリサイクルショップに引き取りを打診してみたり、周りに欲しい人がいないか探してみるという方法を試してみてはいかがでしょうか。
カンボジアではタンス、食器棚といった家具製品をお送りしています。その中に食器、スプーン・フォークなど、鍋フライパンなどの調理器具をギッシリ詰め込んで送ります。
家電製品(冷蔵庫・洗濯機・テレビ・扇風機など)も高い人気があり、日本から送られてくる製品はとても重宝されています。
それでも廃棄せざるを得ないという場合は、お住まいの自治体の指示に従って、回収してもらいましょう。
その際、できるだけ分解して素材ごとに分ければ、エコの観点からも効果的です。