人形・雛人形を処分するには? 処分や供養の方法を解説
人形は子どものおもちゃや旅行のお土産など、思い出の品として扱われることが多いものです。
特に雛人形のように、子どもの成長を見守ってきた人形をごみとして扱うには抵抗がある方も多いでしょう。
そのような思い入れのある人形はどのように処分すればよいのでしょうか?
この記事では人形を処分する方法や、処分の際に気を付けるべきことについて解説します。
人形ならではの処分方法もありますので、いざというときに後悔しないために知っておきましょう。
目次
- 人形を「モノ」として扱ってもよいか?
- 1人形を「モノ」として扱ってもよいか?
- 2人形に汚れや破損があるか?
- 3骨董品や美術品としての価値があるか?
- 人形を供養してもらう方法
- 1神社やお寺で供養してもらう
- 2人形供養代行サービスを利用する
- 3セレモニーホールの人形供養祭に参列する
- 4生前整理・遺品整理業者に依頼する
- 人形を中古品として手放す方法
- 1人形や骨董品の専門店で買い取ってもらう
- 2リサイクルショップで買い取ってもらう
- 3オークションやフリーマーケットに出品する
- 4人形を必要としている人や団体に譲る
- 人形をごみとして処分する方法
- 1自治体のごみ回収に出す
- 2不用品回収業者に依頼をする
- 自分が納得できる処分方法を選択しよう
人形を「モノ」として扱ってもよいか?
人形の処分方法を選択する際にチェックすべきポイントを3つご紹介します。
どのような処分方法を選択するか迷った際に参考にしてみてください。
1人形を「モノ」として扱ってもよいか?
人形のことをどのように扱うかによって、処分方法は変わります。
人形を「モノ」として扱うことに抵抗がない場合は、ごみとして処分するか、リサイクルショップなどに売ってお金に換える方法があります。
もし「モノ」として扱うことに罪悪感があるのであれば、ほかの方法を選択するほうがよいでしょう。
幼少期からずっと一緒に過ごしてきた人形や、思い出がつまった人形は「モノ」ではなく、大切な家族や友人のように思っている方も多いです。
その場合は神社やお寺などで供養をしてもらうか、人形を大切にしてくれる相手に譲渡する方法のほうが向いています。
2人形に汚れや破損があるか?
人形を譲渡したり売ったりするのであれば、必ず人形の状態を確認しておきましょう。
汚れや破損のある人形は引き取り手が見つかりにくいため、なるべくきれいな状態にしておかなければなりません。
洗濯や修理が可能な場合は自分で行うのもよいですが、難しい場合は無理に自力で直そうとしてもかえって悪化させてしまう可能性があります。
そのため人形の専門店や修理業者に修理依頼をするほうが安心です。
修理費用は人形の種類や状態によってさまざまですが、安くても1,000円以上、高ければ数万円かかることもあります。
できるだけお金をかけずに処分したいのなら、汚れや破損のある人形の引き取り手を探すのは諦めたほうがよいでしょう。
3骨董品や美術品としての価値があるか?
人形をリサイクルショップなどで売る場合、人形の状態だけでなく、骨董品や美術品としての価値があるかということも重要なポイントとなります。
たとえば日本人形であれば「平田郷陽」や「野口園生」など、有名な作家の作品の場合は高額で買い取ってもらうことができます。
しかし、おもちゃ売り場や100円ショップで売られているような安物の人形の場合は限定品など、よほど希少価値のあるものでなければ高額での買取は難しいです。
また、作家の作品の場合、作家名や題名が書かれた木札や証明書が付属していることが多いです。
付属品は人形の鑑定にとって重要なものですので、必ず人形と一緒に保管しておくようにしてください。
人形を供養してもらう方法
人形を供養してもらう方法は大きく分けて4種類ありますが、どの方法の場合も供養してもらえるのは基本的に人形本体のみです。
付属のガラスケースや内蔵電池、雛段などは人形と一緒に供養してもらえないことが多いため、事前に取り外し、自治体のごみ回収や不用品回収業者を利用して処分してください。
1神社やお寺で供養してもらう
日本では「人形には魂が宿る」と古くから考えられているため、人形の供養をしてくれる神社やお寺がたくさんあります。
たとえば東京都の明治神宮では人形感謝祭が毎年10月ごろに行われています。
人形感謝祭の当日に人形を持参し、供養料3,000円を支払うことで供養をしてもらうことができます。
祭典では納めた人形のお祓いをする様子を見学することも可能です。
郵送でも対応してもらえるか、供養料はいくらかなど、詳細な点についてはお寺や神社によって異なります。
特に明治神宮のように定期的に人形供養祭を行っているところでは、それ以外の日に人形を持っていっても供養してもらえない場合が多いため注意が必要です。
複数のお寺や神社のウェブサイトなどを確認し、自分に合ったところで供養してもらいましょう。
※弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。
2人形供養代行サービスを利用する
人形供養の代行サービスを行っている団体もあります。
たとえば日本人形協会の「人形感謝(供養)代行サービス」があります。
利用方法は電話やウェブサイトで事前に申し込み、ゆうパックで人形を送って料金を支払うだけです。
送った人形は日本人形協会の事務局で保管され、毎年10月に行われる東京大神宮の人形感謝祭で供養されます。
梱包や発送の手間はかかりますが、人形感謝祭の当日まで待つ必要がない点や、郵送で対応してもらえる点は人形供養代行サービスの利点です。
料金は、箱の大きさが縦+横+高さの合計が170センチメートル以内で、重量が30キログラム以内であれば1箱5,000円です。
それ以上の大きさや重さの場合は対応してもらえないため、供養してもらえる神社やお寺などを自分で探す必要があります
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3セレモニーホールの人形供養祭に参列する
セレモニーホールのなかには、定期的に人形供養祭を開催しているところがあります。
基本的には神社やお寺での供養の場合と同じで、式場に人形を持ち込み、供養料を支払うことで供養をしてもらうことができます。
ただ、神社やお寺はいつでも人形の供養を受け付けているところもありますが、セレモニーホールでは日時が限定されている場合がほとんどです。
供養祭まで人形を預かってもらうことは難しいため、タイミングによっては供養してもらうまで数か月から一年ほど待たなければならないこともあります。
申し込み方法や供養料などについてもセレモニーホールによって異なります。
近場のセレモニーホールでは人形供養祭を行っているか、自分の希望に合ったセレモニーホールがあるかなど、事前に調べておくとよいでしょう。
4生前整理・遺品整理業者に依頼する
生前整理や遺品整理として人形を手放したい場合は、整理業者に依頼をする方法もあります。
整理業者では人形を「ごみ」ではなく「思い出の品」として扱ってもらえるため、搬出だけでなく供養もしてもらうことが可能です。
搬出してもらった人形はほかの利用客の人形や遺品と一緒にお寺などに集められ、合同で供養されます。
業者によっては、希望すれば個別で供養してもらえる場合もあります。
また、整理業者は人形を丁寧に扱ってもらえますが、その分料金が高いです。
人形の量や業者にもよりますが、基本料金は安くても30,000円程かかる場合が多いです。
そのため手放したい人形や不用品が大量にある場合は効率的に処分できますが、少量の場合はほかの処分方法と比べて高額なためあまりおすすめしません。
人形を中古品として手放す方法
人形の状態がよければ引き取り手が見つかる可能性があります。
捨ててしまうのはもったいないと思うのであれば、引き取ってくれる相手を探してみましょう。
1人形や骨董品の専門店で買い取ってもらう
人形や骨董品の専門店では、買取サービスを行っているところがあります。
買取方法は店舗への持ち込みだけでなく、自宅へ査定に来てもらえる場合もあります。
専門店で買い取ってもらえる可能性が高いのは、汚れや破損のないきれいな状態で、なおかつ高価な人形や需要のある人形です。
たとえば有名な作家が製作した人形や限定品の人形、ディズニーやサンリオなどの人気のキャラクターの人形です。
さらに収納用のケースや説明書など、付属品があればより高い値段で買い取ってもらうことができます。
店によって対応している人形のジャンルや買取の基準が異なるため、一度買取を断られたとしてもほかの店では買い取ってもらえる可能性もあります。
特に雛人形は、人形や付属品が全て揃っていなくては買い取ってもらえない店と、個別でも買い取ってもらえる店がありますので、諦めずに複数の店を回ってみるとよいでしょう。
2リサイクルショップで買い取ってもらう
人気のキャラクターの人形などの需要の高いものは、状態がよければリサイクルショップで買い取ってもらえる可能性があります。
店頭買取と出張買取の2種類があることや、買取前に査定が行われることなど、基本的には人形や骨董品の専門店で買い取ってもらう場合と同じです。
またリサイクルショップは「全国不用品買取センター」のように、全国対応している店が数多くあります。
希望する日時に自宅まで査定に来てもらうことができるため、店まで直接運んだり発送したりする手間がかかりません。
人形や骨董品の専門店の場合と大きく異なるのは、人形以外の不用品も買い取ってもらえるという点と、骨董品や美術品の買取にはあまり向いていないという点です。
リサイクルショップでは幅広いジャンルを取り扱っているため、食器や家具などを人形と一緒に買い取ってもらえることができます。
しかし、リサイクルショップによっては骨董品や美術品の専門知識のあるスタッフがいない場合があり、適正な金額で買い取ってもらえない可能性があります。
もし高額で買い取ってもらいたいのであれば、人形や骨董品専門の鑑定士のいる店に持っていきましょう。
3オークションやフリーマーケットに出品する
たとえば「ヤフオク!」のように、「フリマ出品」と「オークション出品」の両方が備わっているサービスもあります。
値上がりが期待できる人形の場合は「オークション出品」、自分が希望する価格で売りたい場合は「フリマ出品」を選択しましょう。
特にゲームセンターの景品やキャンペーンの抽選でしか入手できない人形や、販売時期が古くて今では購入することができない人形など、希少価値が高いものは購入してもらえる可能性が高いです。
逆に、どこにでも売っているような人形など、わざわざオークションやフリーマーケットで購入する必要性のない人形は、よほど状態がよく安価でない限り買い手が現れにくいです。
また、人形の出品や発送などの作業をすべて自分でしなければならないというデメリットもあります。
購入者が受け取ってから「人形が壊れていた」「思っていた人形と違った」と連絡が来るなどのトラブルが起こらないようにしなければなりません。
人形のサイズや重さを正確に記載したり、配送中に壊れないようしっかり梱包したりするなど、丁寧な対応を心がけましょう。
4人形を必要としている人や団体に譲る
きれいな状態の人形の限りますが、人形の寄付を受け付けている団体に譲るという方法もあります。
特に着せ替え人形や雛人形、子どもに人気のあるキャラクターの人形は保育園や幼稚園などで喜ばれます。
人形の寄付を受け付けている団体が身近にないか、探してみてください。
ただし骨董品など、あまり高価すぎる人形は扱いが難しいため団体によっては断られる場合もあります。
受け付けている人形の種類や寄付の方法については団体によって異なるので、事前によく確認してから寄付をしてください。
また、団体ではなく個人に譲ることもよいでしょう。
小さなお子さんのいる人や、人形が好きな人などが知り合いにいれば声をかけてみてください。
人形を必要としている人が身近にいない場合は、不用品取引の掲示板サービスを利用して引き取り手を探す選択肢もあります。
たとえば「ジモティー」を利用する方法があります。
ジモティーでは地域別の掲示板で不用品取引を募集し、引き取りたいという人が現れたら個別のチャットで引き渡し方法などを相手と相談して決めます。
人形の引き渡し方法は宅急便や郵送か、直接会って渡すかのどちらかになります。
素人同士での取引となりますので、宅急便ならば梱包をしっかりと行う、直接会うなら人通りの多い場所で会うなど、トラブルの予防をする必要があります。
またオークションやフリーマーケットの場合と同じように、よほど需要の高い人形やきれいな状態の人形でなければ引き取り手は現れにくいです。
今すぐに人形を手放したいのであれば、別の方法で処分することをおすすめします。
人形をごみとして処分する方法
次に、人形をごみとして処分する方法をご紹介します。
人形供養に持っていく時間がなく、ごみとして処分せざるを得ない場合、人形をごみとして扱うことに罪悪感があるのなら自分で供養することもよいでしょう。
人形の汚れを拭き取り、塩で清めてから白い布や紙で包むだけでも充分供養になります。
大切なのは供養の方法ではなく、人形に感謝する気持ちです。
自分に合った方法で人形を供養してあげてください。
1自治体のごみ回収に出す
人形は素材によっては自治体のごみ回収に出すことができます。
ごみの分類については自治体によって異なりますので、各自治体のホームページなどを確認しましょう。
たとえば東京都世田谷区では、布やゴム、プラスチックの人形は可燃ごみ、ガラス製の人形やガラスケース、人形に内蔵されている乾電池は不燃ごみに分類されます。
ただし雛段のように、一辺の長さが30センチメートル以上のものは粗大ごみとして扱われ、処分するには手数料がかかります。
世田谷区で人形を粗大ごみとして出すとき、自宅前に収集に来てもらう場合は400円、粗大ごみ中継所へ持ち込む場合は200円です。
自治体のごみ回収に出す方法は非常に費用が安いですが、搬出は自分でしなければなりません。
大きくて重い人形や、大量の人形を処分したい場合はその分搬出の手間がかかります。
逆に小さな人形を1、2体だけ処分する程度ならば、ごみ回収に出すのが最も簡単な方法といえます。
※弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。
2不用品回収業者に依頼をする
不用品回収業者に依頼をして人形を回収してもらう方法もあります。
人形の搬出は業者に行ってもらうことができるため、処分したい人形が大きくて重い場合や、量が多い場合におすすめです。
また業者によっては24時間受け付けているところもあり、自分の都合のよい日時に回収してもらえます。
処分したいときにすぐに回収してもらえるので、自治体のごみの日まで待つ必要がありません。
不用品回収業者に依頼するデメリットは利用料金が高いという点です。
安くても10,000円程度はかかる業者が多く、プランによってはさらに高くなってしまう可能性もあります。
必ず最初に見積もりを立ててもらい、料金を確認するようにしましょう。
自分が納得できる処分方法を選択しよう
人形をどのように扱うかは、人によって大きく異なるものです。
人形をただの「モノ」として扱う人もいれば、「魂が宿っているもの」として扱う人もいます。
もし「モノ」として扱うことに抵抗があるのなら、急な引っ越しなどで慌ててごみとして処分してしまうと後悔してしまうかもしれません。
ごみや不用品の回収に出してしまってもよいのか、それともきちんと供養してあげたいのかなどよく考え、日ごろからある程度計画を立てておくとよいでしょう。