スズメバチなどの蜂に刺された時の症状と、刺された後の対処方法について
目次
- スズメバチに刺されたときの症状は?
- 1局所症状について
- 2全身症状について
- スズメバチの毒は死に至るほど危険なの?
- 1局所症状だけでは死に至ることはない
- 2蜂刺されの死亡事故の原因はアレルギー
- 32度刺されると死ぬというのは本当?
- 4別の種類の蜂なら2回目も平気?
- スズメバチに刺されてしまったらどうすればいい?
- 1まずは現場から離れる
- 2針が残っている場合は毒液に注意してそっと抜く
- 3初期症状で全身症状が出ていないか確認する
- 4冷湿布・抗ヒスタミン薬を経口摂取か塗布する
- 今後刺されないようにするために知っておくべきこと
- 1白い色のものを身に付ける
- 2匂いのきつい香水や化粧品を用いている
- 3刺される可能性の高い場所には1人で出かける
- 4一般的な虫よけスプレーは効果がない
- 5自身のアレルギーについて調べておく
- 刺されても落ち着いて行動すること
スズメバチに刺されたときの症状は?
1局所症状について
局所症状とは、ハチに刺されることでその刺された箇所に激しい痛みが走り、約一週間ほどで赤く大きく腫れる症状のことを言います
ハチの針からハチ毒がヒトの皮膚に注入され、ハチ毒の成分(ヒスタミン、セロトニン、カテコールアミンなど)が痛みを感じる神経を刺激するため起こります。中でもセロトニンはヒスタミンよりも強い痛みを引き起こし、この毒を多く含んだ「スズメバチ」「アシナガバチ」に刺されると、ミツバチなどに刺された時よりも強い痛みを退官することになります
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2全身症状について
局所症状とは異なり、ハチに刺されてすぐに気分が悪くなったり、吐き気を起こす、刺された箇所だけでなく身体中に症状が出る場合があります。また全身症状はさらに二つに分けられ、「即時に起こる全身症状」と、「遅れて起こる全身症状」があります。(約10分ほどで症状が出る)
即時に起こる全身症状の場合は特に注意が必要で、この症状の詳細を分けたものが以下の内容になります。
● 軽い症状の場合
刺された所以外に赤く腫れ(じんましん)、飲酒をした時のように全身が赤くなります。全身に痒みがおこる、なんとなくだるく苦しいといった症状。この程度であれば治療に急を要することはありません。
● 中くらいの症状の場合
上記の軽い症状に加えて、喉がつまったような感覚で胸が苦しくなります。口が渇き、口の中がしびれたような症状も起こしたり、下痢、吐き気や嘔吐をもよおしたりします。
● 重い症状の場合
息をするのが苦しくなり、ものが飲み込めなくなります。
さらに声がかすれ、目が見えなく耳も聞こえなくなります。意識もはっきりとせず全身の力が抜けてその場でうずくまってしまいます。
● 悪化(最悪)
尿や便を失禁したり、手や足にけいれんを起こします。意識はなくなり血圧も低下、脈はふれなくなります。この状態になると、一刻も早く処置を開始しないと死亡してしまいます。死亡の多くは上気道の浮腫による窒息死です。
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スズメバチの毒は死に至るほど危険なの?
スズメバチの有する毒液は様々な微量の生理活性物質の複雑な混合物でできており、「毒のカクテル」とも呼ばれています。そこまで言われるスズメバチの毒で、本当に人は毒そのもので死んでしまうのでしょうか?
1局所症状だけでは死に至ることはない
上記で記述したように、スズメバチの毒は様々な微量の生理活性物質の混合物です。
これらの毒物質の多くはヒトを含めた動物の免疫系や神経系に関係した情報伝達物質でもあり、毒液に含まれる動物組織の構成物質を分解する酵素によって消化または破壊された組織を通じて皮下組織に拡散、さらには血管系を通じて全身を巡り、免疫系や神経系の情報処理機構を攪乱。それによって激しい痛みや免疫系の混乱による急性アレルギー反応、通称“アナフィラキシーショック”を引き起こすのです。
毒の中には神経毒である「セロトニン」「アセチルコリン」という量が多いと呼吸困難や心肺停止になる毒が含まれていますが、含まれる量が微量なため、刺されただけでは毒による直接的な死に繋がりません。本当に怖いのはそのハチの毒によって引き起こされるアレルギー反応です。
2蜂刺されの死亡事故の原因はアレルギー
上記のように、ハチの毒が直接死亡に繋がる例はあまりなく、スズメバチによる死亡のほとんどが急性アレルギー反応「アナフィラキシーショック」によるものです。
ハチ毒アレルギーを持つ人は、過去に刺されたときに体内にできたハチ毒に対する抗体が、2度目に入ったハチ毒にに反応して血圧低下その他の症状を起こします。ハチ毒自体に溶血その他の生理作用があるのは確かですが、約2か所程刺されたくらいの毒量では命に別状ありません。
ハチ毒そのもののせいでなく、むしろ自分の生理作用のために命を失ったと考える方が正確です。
32度刺されると死ぬというのは本当?
前の説明の通り、うその説明ではありません。ただしこれはハチの毒のアレルギーを持ったヒトに限りであり、そのハチ毒のアレルギーを持ったヒトは人口のごく一部です。
通常の体質の人間ならば、刺されるほど症状が軽くなることもあり、スズメバチの研究をしている研究者さんは免疫づけのために、シーズンはじめにわざとスズメバチに刺してもらっているようです。
しかし、たとえ通常の体質のヒトであっても、刺された後で腹痛やめまい、意識がもうろうとしてくる場合もあります。
ハチ毒アレルギーショックで死亡する場合は刺されてから1時間以内であることが多くいので、一刻も早く病院に向かって処置してください。
4別の種類の蜂なら2回目も平気?
主にハチ毒アレルギーを引き起こす原因となるハチは「ミツバチ」「アシナガバチ」「スズメバチ」この3種類のハチたちは、共通で攻撃にお尻の針を用い、そのどれもが有毒です。しかも、ハチ毒の成分と割合はハチの種類によって異なるものの、上の3種類のハチには共通した成分が含まれているため、たとえ一度目にミツバチに刺され、2度目にスズメバチに刺されたとしてもアレルギー反応が出る可能性は十分にあります。
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スズメバチに刺されてしまったらどうすればいい?
1まずは現場から離れる
不意にスズメハチに刺されてしまった場合、まず最初に刺された場所から急いで離れましょう。
近くに巣がある場合、他の仲間のスズメバチからも攻撃をもらってしまう場合もあります。
刺された箇所が痛くて歩きにくいかもしれませんが、まずはい痛みを堪え、その場から離れるようにしてください。
2針が残っている場合は毒液に注意してそっと抜く
刺されたところにハチの針が残っていると、針の根元にある毒液がたまった毒嚢が体内に入ってしまうので、できるだけ早く抜いてください。ただし、つまんで抜こうとすると逆に毒液を注入してしまうことになるので、毛抜きをしようするか、指で横に払うように弾き飛ばしてください。
3初期症状で全身症状が出ていないか確認する
全身症状では、刺された直後から1時間以内に症状が現れますので速やかに医療機関に連絡を取り受診してください。場合によっては救急搬送も必要になります。
4冷湿布・抗ヒスタミン薬を経口摂取か塗布する
氷で全体を冷やすことはせず、刺された部分に冷湿布を貼って痛みを和らげてください。
痒みや腫れがある場合、経口投与の抗ヒスタミン薬やクリーム剤で和らげることができます。
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今後刺されないようにするために知っておくべきこと
残念ながら、スズメバチに完全に刺されないようにするための方法はありません。
あくまでも、刺される可能性を少しでも大きく下げることはできます。
スズメバチは突然攻撃してくるわけではなく、普段の生活ではむしろ毒針は使用しません。
縄張り意識が非常に強い虫のため、巣や、巣の中の蛹や幼虫を守るために外敵に攻撃を仕掛けてくるわけです。そんなスズメバチが攻撃を仕掛ける際、2つのサインを対象に対して送ってきます。
1つは「警告」。ヒトや動物が巣に近づいてきた際に、近づくな! と言うように対象の周りを飛び回ります。
2つ目は「威嚇」。一つ目の方法でそれでも対象がいなくならない場合、顎をカチカチと鳴らして、より音を立てて飛び回ります。この威嚇は最期の警告を意味しており、低い姿勢でゆっくり去れば刺されずに離れることができます。
威嚇をしてもいなくならない場合、飛び回りながら対象を毒針を用いて攻撃してきます。また、スズメバチにさらなる刺激を与えて攻撃されることがないよう、以下のことは控えた方がいいでしょう。
1白い色のものを身に付ける
「スズメバチは黒いものに反応して攻撃してくる」という噂を一度は耳にしたヒトも多いと思います。これは間違いとは言えませんが、実は正解とも言えません。 ハチは白黒の色で物を見るので、濃い色はハチにとっては黒と同じなので攻撃してきます。「黒い色」というより、「濃い色」に反応するというのが正しいです 白い色の衣装が比較的スズメバチに刺されにくいので、白い帽子をかぶり、低姿勢でゆっくりとその場から離れましょう。
そして、実は「白が狙われない」という噂。これも一概に正解とは言えません。動いている白と、止まっている黒 ならば、スズメバチは動くものに反応するからです。
あくまで、白のような色ならスズメバチに攻撃される可能性が低くなるというだけで、完全に刺されないわけではありません。
2匂いのきつい香水や化粧品を用いている
スズメバチは嗅覚も非常に敏感で、中国科学院の研究では30日前に嗅いだ匂いの刺激を記録できることも判明しています。
そんなスズメバチは、においのきつめな整髪剤、香水、化粧品のにおいで刺激を与えたしまう場合があります。巣からある程度離れていても反応される場合があるので、身に付ける際は細心の注意を払い、スズメバチがいそうな森林などに行かないようにしてください。
3刺される可能性の高い場所には1人で出かける
スズメバチが巣を作りそうな森林や山には一人で出かけるのは控えましょう。
「自分の身は自分で守れる」と強がらず、必ず二人以上での行動を心がけてください。至極単純な事ではありますが、仮に人気(ひとけ)のない場所で一人でハチに襲われ、アナフィラキシーショックが起こってしまったら、助けてくれるヒトや携帯などで救急車に連絡してくれるヒトもいないので、最悪の場合死亡してしまいます。
スズメバチが巣を作りそうな場所には一人では向かわないようにしてください。
4一般的な虫よけスプレーは効果がない
殺虫スプレーをスズメバチに吹きかけても、死ぬことなく、むしろさらに刺激を与えてしまい狂暴化するケースもあります。殺虫剤が効かないのは、スズメバチに特化した有効成分が含まれていないのが原因です。有効成分ごとに、駆除できる虫も違うので、スズメバチに合った殺虫剤を使用しましょう。ただし、巣から離れたハチに吹き付けるようにして、ハチの巣に直接吹き付けるようなことは絶対にしないでください。
5自身のアレルギーについて調べておく
アナフィラキシーとは、そのアレルギー反応によって皮膚や呼吸器、消化器など複数の臓器に急速に全身性の症状が出ることなので事前に病院などで検査をおこない、自分がどのようなアレルギーを持っているのかをはあくしておくのをおすすめいたします。
ハチ毒アレルギーを診断してもらい、ハチ毒によってアナフィラキシーショックを起こしてしまう身体でないことを確認しておくと、いくらかスズメバチに対する気持ちも楽になります。 ただし、ハチ毒アレルギーがないからと言って堂々とハチの巣を動き回るのは大変危険なので、気をつけましょう。
刺されても落ち着いて行動すること
狂暴で知られるスズメバチに刺されたら誰もがパニックになってしまうことでしょう。
実際、毎年夏から秋にかけてスズメバチが活発になる時期には多数の刺傷事故のニュースを耳にしますが、年間に10人~20人のヒトが亡くなっており、実はクマやヘビによる事件よりもスズメバチが圧倒的に多いのです。
人間にとって最も危険な生き物と呼んでも過言ではないので、そんなスズメバチが相手だからこそ、刺された際には即座にその場から離れ、早急に応急処置をおこない、病院に診てもらいましょう。
駆除をおこなう際も、プロの業者でなければかえって被害が拡大し、周りの人達にも被害が及ぶので、駆除や対策の際には専門業者をお呼びください。
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