実は叩いて潰すのは危険!間違ったゴキブリ退治方法
目次
なぜ叩いて駆除は危険なのか?
1細菌・雑菌をまき散らす
ゴキブリは不潔な害虫の代表として世間で有名であり、さまざまな菌を持っています。いずれの菌も人に有害なもののため、ゴキブリを叩き潰して処理してしまうと周りに菌をまき散らしてしまう恐れがあります。
2駆除したのが雌の場合、卵も孵化してしまう?
ゴキブリを叩いて殺したら「卵をまき散らして余計にゴキブリが増える」という話を一度は耳にしたことがあると思います。
これは、メスのゴキブリが約30個ほどの卵が入った卵鞘(らんしょう)という固い袋を産むということ、卵鞘はすぐに産まずしばらくお尻の部分にくっついているということ、ゴキブリは生命力が強く繁殖旺盛という点から生まれた都市伝説のようなものであり、実は誤った情報なのです。
卵鞘は一般的に中の卵が孵化するまでは開くことはなく、生まれる前に卵鞘が壊れると卵が死んでしまうことのほうが多いです。さらにメスの成虫は一度に卵鞘を1つずつしか産むことができません。(しばらく日を置くと再度産みはじめます)。そのため、卵をまき散らすことなどできるはずがないのです。
ただしこの情報は、全くの嘘というわけではありません。
上記のようにゴキブリは卵鞘を産んだ後、しばらくは卵鞘をお尻にくっつけた状態で行動します。ゴキブリの種類にもよりますが、チャバネゴキブリなどは孵化するまで腹部に卵鞘をつけたままの状態が多いです。さらに、自身の危機が迫ると卵鞘を落としてしまうこともあるのです。チャバネゴキブリの場合、メスから卵鞘が離れると孵化率がだいぶ下がりますが、0というわけではありません。
この卵鞘を放っておいてしまえば、孵化して繁殖してしまう恐れがあります。
叩けば ばい菌まみれ ゴキブリは「細菌」と「雑菌」の宝庫
ゴキブリはおもに以下のような菌を持ち歩いています。叩いて殺してしまえば、その武器に用いた道具、ゴキブリの死骸の現場の床や壁の周辺、空気中にも菌をばらまいてしまうかもしれないので、後記のゴキブリの叩く以外での駆除方法による駆除をおすすめいたします。
1サルモネラ菌
ゴキブリの持つ代表的な菌が、このサルモネラ菌です。 ゴキブリの糞の中でも何年も生き続けられるほどの強い生命力を持っており、日本でもよく発症するサルモネラ食中毒という感染型の食中毒の原因を作ります。 嘔吐や下痢、発熱、消化器官系の症状を引き起こします。
2赤痢菌
ゴキブリの糞の中に生息する経口感染型の菌です。 感染力が極めて強く少量だけでも感染してしまう可能性があります。一概にゴキブリが原因とは言えませんが、食品・生水・おもちゃなどを口に含んだ時に感染するという報告がされているため小さいお子様は十分注意してください。 大腸感染症、下痢、発熱、血便、腹痛を起こす原因になります。
3ピロリ菌
人間の体内に入って胃の粘膜に住み着く菌です。感染経路はいまだにはっきりと解明はされていませんが、口を介した感染、幼少期の生水の摂取や大人が小さいお子様と同じ箸やストローなどを使用すると感染する傾向があるようです。食事中はそれぞれ自分の箸で食事したり、飲み物を飲む際には回し飲みをしないほうが安全です。
4“ゴキブリアレルギー”を持つ人
実はゴキブリアレルギーを持つ人は多く、普段から喘息などの症状に悩まされているその原因がゴキブリということも考えられます。喘息の症状が出るお子様の3割がゴキブリに対するアレルギー反応があると言われているため、喘息の原因がゴキブリということは十分に考えられます。
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“叩く”以外のゴキブリの駆除方法
1殺虫剤
ゴキブリ退治で最も有効な駆除手段です。市場の殺虫剤は即効性が高く、殺虫剤にも色々と違いがあるので、用途や設置する場所に合わせて使うと効果的です。「キンチョール」や「ゴキジェット」などのスプレータイプを使用する方が多いです。
2掃除機で吸い込む
ゴキブリが苦手な方の場合、掃除機で吸い込んでしまえばゴキブリを簡単に処理することができます。吸い込んでもゴキブリは一次的に気絶しているだけでまだ生きているので、吸い込み終わった後、掃除機の紙パックやゴミを取り出して殺虫剤スプレーを吹きかけるなどをして殺してください。殺虫後はゴミと一緒にゴキブリを捨ててください。
吸い込んでそのまま放置、殺さないままゴミと一緒に捨ててしまうことが良くありますが、脱出される恐れがあるので必ず息の根が止まったのを確認してから捨ててください。
3熱湯をかける
ゴキブリには適温というものがあり、20℃~32℃が適温とされ、あたたかい場所を好みます。しかしゴキブリはその適温以上の暑い温度は苦手としており、ゴキブリの身体を構成するたんぱく質は高温になると変性するので、熱湯をかけるとゴキブリを即死させることができます。
ゴキブリは50℃で気絶し、70℃以上で即死します。ゴキブリに直接熱湯をかけようとすると床を水浸しにしてしまうのでお湯で濡らしたキッチンペーパーや雑巾をゴキブリに被せましょう。これだけでも十分に効果があります。
4洗剤・アルコールをかける
ゴキブリを殺す手段として「洗剤が有効」という話を聞いたことはありませんか?実は洗剤によってゴキブリが死んでしまうのにはちゃんとした理由があり、洗剤はゴキブリの気門を守っている脂を洗い流してしまうのです。そのまま気門に入り込んだ洗剤は気門を塞いでしまうので、ゴキブリを窒息死させることができます。
しかし、洗剤を使用した退治は注意しておかなければならない点があります。
洗剤でゴキブリの気門を塞ぐ場合、死ぬまでに30秒~数分の時間が必要となります。即死させることができないのが難点であり、逃げられてしまって床やカーペットにシミができてしまう恐れもあります。
アルコールはゴキブリを窒息死させる点は同じですが、揮発性が非常に高いため窒息に加え、その気化熱で体温を奪われて動けなくなる効果があるので、ゴキブリが苦しみながら飛び回るという心配もありません。
主にアルコールを使用し、手元にない場合は洗剤を使用するなどで使い分けてください。
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もし殺虫剤を使うのが不安なときは
殺虫剤や上記④のような駆除方法以外にも、以下のような商品を使用してゴキブリを退治する方法があります。いずれもゴキブリを叩きつぶす必要はなく安全に駆除することができますが、ベイト剤は即効性がないためゴキブリを殺すには時間を要し、捕獲機はあくまで捕らえるだけでゴキブリを直接殺すことはできません。
ベイト剤(毒餌) ブラックキャップ ゴキブリ駆除剤 [12個入] ゴキブリを駆除するためのベイト剤。 即効性が薄いため早めにゴキブリを処理したい場合には向きませんが、家中に潜んだ多くのゴキブリを一気に倒す場合には効果的な商品です。 |
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捕獲機 ゴキブリホイホイ 1973年から販売された人気のゴキブリ捕獲器。 ゴキブリの殺傷効果はありませんが複数のゴキブリを捕獲でき、その捕獲したゴキブリをまとめて処理することができます。 |
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駆除後の後始末
ゴキブリを退治後、その死骸は必ずゴミ袋に入れて、卵の存在のことも考えてゴミ袋の口は隙間が開かないように厳重に塞ぎましょう。また、彼らが動いた場所にも菌が付いていたり、ゴキブリ処理の際にまかれた殺虫剤で臭ってしまっている場合があります。軽く雑巾やブラシなどで床や壁を掃除しましょう。
掃除後に使用した雑巾やブラシは入念に洗剤で洗って、外で乾かしてください。使い捨てのものの場合、迷わずゴミ袋に入れて捨ててください。
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叩いて駆除する場合の対応
ここまで、ゴキブリを叩かずに退治する方法を紹介しましたが、もし仮に「殺虫剤がない」など上記のような対応ができない場合、やはり叩いて駆除するしかありませんよね。ゴキブリを叩いて殺すのは危険ですが、きちんと相応の対応をすれば問題はありません。
ゴキブリと正々堂々の対決をする場合、以下のものを用意してください。
・手袋
・マスク
・叩く武器(スリッパ、捨てる雑誌など)
・ブラシ・雑巾
・洗剤(浴槽のシャンプーなどでも可)
1ゴキブリは前方から叩く
まずはマスクと手袋を装着し、叩く用の武器を片手にゴキブリの正面に立ちましょう。ゴキブリはお尻に風を感知する器官を持っているため、後ろから叩こうとすると逃げられてしまう場合があります。ゴキブリが動き出した際に思わず「こっちに来た」と焦って、逆にこちら側が逃げてしまいたくはなりますが、ゴキブリは弱視で触角と衝撃を頼りに前進し、後ろ向きに移動できない習性を持つので、たとえ前方から叩こうとしてもゴキブリは人間を認識できません。冷静に2~3回ほど叩いてゴキブリに引導を渡してやりましょう。
2洗剤系の液体をかけて回収
叩いて動かなくなったゴキブリに浴槽で使用するシャンプーや食器用の洗剤をかけておいてください。30~60秒ほど寝かせたらキッチンペーパーやティシュでゴキブリの死骸を回収し、ゴミ袋に入れて捨ててください。
3潰した箇所の床周辺を掃除する
退治後は、ゴキブリを退治した場所とその一帯を入念に拭き掃除をするか、ブラシで洗ってください。掃除用の洗剤や重曹で掃除をするのが良いですが、ない場合は食器用の洗剤や石鹸で掃除しても構いません。
4掃除後…
掃除の完了後、ゴキブリ退治に用いた雑誌などの武器はゴキブリの菌が付着している恐れがあるので、放置せずにゴミ袋に入れるなどの処置を行い、すぐに捨ててください。
雑巾やブラシも同様、使い捨ての物の場合はゴミ袋に入れて捨て、他掃除で再使用する場合は洗剤などを使って入念に洗浄し、漬け込みの殺菌消毒剤で除菌してください。
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冷静な対応でゴキブリを駆除
ゴキブリは叩いて退治する以外にも様々な退治方法があるので菌をまき散らす危険性を抑えるためにも、なるべく“叩き潰す”以外の駆除方法をおすすめいたします。
手元に殺虫剤がなくても慌てず、冷静にゴキブリの対処をおこないましょう。
家庭の事情などで殺虫剤を使用できない場合でも、「掃除機で吸い込む」「洗剤やアルコールをかける」などの処理で、なるべく“ゴキブリを叩かずに駆除”する方法を選んでください。
どうしてもゴキブリを叩いて駆除する場合は必ず上記⑦のような対応をおこない、いずれも難しい場合は専門の業者にご依頼ください。
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