海外需要や買取の可能性はある?不要になった着物の処分方法を解説します!
日本人の和の心を表現する衣服が「着物」です。
現在は日常生活において洋服を着る方が大半で、着物を着用する機会は減っているといえます。そんな中、さまざまな事情から着物が不要となり、処分方法に困る方は少なくありません。
ここでは、着物の処分方法をご説明していきます。
目次
- 着物の処分方法とは?浴衣との違いも知っておこう
- 1着物とは?
- 2着物と浴衣の違いは?
- 3着物が不要になる背景
- 4着物を処分する方法とは?
- 着物の買取は可能?売却方法と売れる条件について
- 1着物を買取で処分する方法は3つ!
- 2値段がつく着物の条件とは?
- 捨てるにはもったいない着物!誰かに譲渡するにはどうすればいい?
- 1着物の海外需要が高まっている!
- 2SNSの呼びかけや団体への寄付もOK
- 3着物の発送時は梱包方法に注意すること
- 着物はゴミとして廃棄できる?自治体に回収してもらう方法とは
- 1自治体に古着として回収してもらえます
- 2着物は可燃ごみに出すことが可能です
- 手間も時間もかけたくない!着物の処分を不用品回収業者に頼む方法
- 1不用品回収業者に依頼するメリット・デメリット
- 着物をゴミとして捨てるのは最終手段です
着物の処分方法とは?浴衣との違いも知っておこう
まずは着物とはどのような衣服を指すのか。浴衣との違いもみていきましょう。
着物の処分方法についてもまとめてみます。
1着物とは?
もともとは単に“着るもの”、つまり洋服全般が着物と呼ばれていました。
明治時代以降、洋服に対する和服を総称して「着物」を指すようになったのです。
衣服として着物が定着したのは奈良時代といわれており、それまでは下着や表着として用いられていました。現在のような着物の形になったのは平安時代のことでした。
羽織や襦袢、コートを除いた長着を指すのが一般的で、袖、身頃、衽、衿、掛衿で構成されています。
2着物と浴衣の違いは?
では、着物と浴衣の違いとはなんでしょうか。一見、同じのように思えますが、実は両者には明確な違いがあるのです。
もっとも、衣服を大きな括りで分別した場合、浴衣は着物の一種と考えられています。
実際、見た目の形状や構造は全く同じですし、着付けの仕方もほとんど変わりません。種類は同じだけれど差別化されていると捉えておきましょう。
着物と浴衣の違いは主に5つ。
着物 | 浴衣 | |
起源 | 縄文時代 | 平安時代 |
用途 | フォーマル | おしゃれ着 |
素材 | 絹、木綿、ウール | 混合生地、ポリエステル |
長襦袢 | 有 | 無 |
帯の長さ | 4m30cm×31.2㎝ | 3m20~60㎝×15~17㎝ |
・起源
着物の起源は、所説ありますが呉服として中国から伝わったのが始まりだといわれています。武家の衣服として公共の場で着用する大袖と私的な場で着用する小袖とに分けられていました。
一方、浴衣は平安時代に貴族が蒸し風呂に入るときに着用した湯帷子が起源とされています。風呂上がり水分や汗を吸い取らせるために用いられていたのです。
・用途
起源が違えば用途も異なります。
現在では着物は冠婚葬祭やパーティーなどでフォーマル衣装として着用されていますが、浴衣は夏に夕涼みやおしゃれ着として着るのが一般的です。
・素材
着物の素材は絹や木綿、ウール、ポリエステルなどです。裏地が付いているため透けることはありません。
一方、浴衣の素材は綿や麻との混合生地が主となり、裏地がなく透け感のあるものが多いです。最近ではポリエステルやレーヨンも用いられます。
・長襦袢の有無
着物は肌襦袢と袖除け、長襦袢を着用した上で着付けを行います。一方、浴衣は肌襦袢や肌着の上から着付けをし、長襦袢は着用しません。
・帯の長さや結び方
上記の表に記載したとおり、着物の帯の方が浴衣の帯よりも長く太い傾向にあります。帯の結び方も違いますし、着物では帯締めを結ぶのが一般的です。
3着物が不要になる背景
いつの間にかタンスの肥やしになっている着物。着物が不要になる背景には個人的なものと社会的なものの二つが存在します。
個人的な背景といえば「冠婚葬祭で着用した着物を着る機会がない」という理由がもっとも多いでしょう。
例えば、七五三や結婚式、入学・卒業式、成人式、お宮参りなどです。こういったイベントごとは人生でそんなに経験するものではないですから、着物が不要になってしまうのです。
社会的な背景は「日本人の着物離れ」が影響しています。
特に若者にとっては着付けが難しく高価というイメージがあり、フォーマル用の特別な衣装という認識があるからです。
4着物を処分する方法とは?
こういった背景から着物を処分したいと考える方は少なくありません。
処分方法を詳しく説明する前に、着物の処分方法を一覧に挙げてみましょう。
・買取してもらう
・譲渡する
・寄付する
・ゴミとして廃棄する
・不用品回収業者に依頼する
……思っていたよりも選択肢が多いな、と感じるのでは?ただし、「買取」や「譲渡」などは必ずしも実現できるというわけではないと覚えておきましょう。
着物の買取は可能?売却方法と売れる条件について
「高かった着物を捨てるなんて考えられない!」
「できればお金に換えたいんだけど…」
というあなたは、はじめに着物の売却を検討するのが良いでしょう。
ここでは、着物の売却方法と売れる条件を解説します。
1着物を買取で処分する方法は3つ!
着物を売却する方法は主に3つあります。
一つは、業者に依頼する方法です。
着物の買取をおこなっている業者は以下の通り。
・買取専門店
・着物専門店
・リサイクルショップ
・古着店
買取専門店やリサイクルショップは家電や家具、日用品など着物以外の品物の買取を全般的に行っています。
店舗買取や出張買取のほか宅配買取に対応しているところもあり不用品をまとめて売りたい人には便利です。
着物の下取りをおこなっている業者は少ないですが、KOMEHYOでは下取りサービスが提供されています。
(※5000円以上の買取額、購入金額が3万円以上の条件付き)
一方、着物専門店は着物の売買に特化しているため、着物の価値を正確に査定してもらえるのがメリットです。
自宅の近くにある着物専門店で買取してもらえれば手間が省けて良いでしょう。
近所に着物専門店がない、買取できないといわれた…などの場合は、宅配着物買取サービスをおこなっている業者を利用するのも良いでしょう。
着物宅配買取ヤマトクのような宅配買取の一般的な流れは
1 専用フォームもしくは電話で申し込みをする
2 自宅に送られた梱包キットに品物を入れ集荷にきてもらう
3 数日後に査定金額の連絡を受ける
4 商談が成立したら金額が指定口座に振込まれる
…となります。
古着屋では着物以外の衣類も扱っているため、専門の鑑定士に見てもらえる可能性は低いです。
二つめは、自分でオークションサイトに出品する方法です。
例えばモバオク!のようなサイトなら月額税込330円(※2021年3月時点の価格です)で何点でも出品できます。パソコンでもスマートフォンからでも利用でき、自宅にいながら着物を売りたい方に向いています。
三つめはフリーマーケットに出す方法です。
特に後者は着物を買いに来ている人が大半ですので足を止めてもらえる可能性は高いです。
≪着物フリマ一例≫
・東京都 神楽坂きものフリマ
・京都府 戻橋キモノフリーマーケット
・大阪府 きもの花いちえ
2値段がつく着物の条件とは?
比較的安価に購入できるウールやポリエステル素材の着物は価格が付かない可能性があります。また、小物類を買取るかどうかは店舗によりけりです。
例えば、こちらの店舗では絹の着物や帯をメインに買い取っており、それ以外の着物や小物類は無償引き取りになることが多いと記載されています。
また、着物の状態(しみや汚れ、色褪せなど)も買取価格を左右する重要な要素となります。
どんなに高価な着物でも、状態が悪ければ買取は難しいでしょう。
一般的に高値が付きやすい着物の条件を挙げてみます。
・ブランド品
老舗ブランドの竺仙や三勝など
・伝統工芸作家品
経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークが付いた「伝統証紙」が貼られたもの
・有名デザイナーの着物(ツモリチサト、ヒロミチナカノ、山本寛斎など)
・新品や美品
・絹素材
・10年以内のもの
捨てるにはもったいない着物!誰かに譲渡するにはどうすればいい?
自宅では不要になった着物でも、「捨てるにはなんだかもったいない…」と思うことってありますよね
着物の需要はゼロではありませんから、ひょっとしたら誰かがもらってくれるかもしれませんよ!
1着物の海外需要が高まっている!
日本では着物文化が衰退しているといわれていますが、その一方で海外需要が高まっているのも事実です。
日本の街中では着物姿の人をほとんど見かけなくなりました。
しかし、最近ではアニメやサブカル文化などの発展により、違った目線から着物に興味を持つ若者が増加しています。
またコスプレ衣装や洋服のリメイク材料としてのニーズもあり、需要がいます。
日本人はどうしても「かしこまった礼服」と考えてしまいがちですが、外国人は自宅で普段着として羽織る方が多いこともあります。
2SNSの呼びかけや団体への寄付もOK
先述したように、着物の需要は全くないというわけではありません。
親戚や知人、友人などに着物を欲しいという人がいなければ、インターネットを通じて譲渡する相手を探す方法もあります。
「あげます」「売ります」といった掲示板を利用する方法もありますが、TwitterやInstagram、ミクシィ、FacebookなどのSNSで呼びかけるのもネット社会ならではの手段といえます。
また、皆さんにとっては不要な着物でも、それを喉から手が出るほど欲しがっている人がいるもの確かです。
着物を買うことのできない途上国の子どもや難民、被災地の方たちに寄付するのも良い選択肢ではないでしょうか。
≪着物の寄付を受け付けている団体一例≫
・セカンドライフ
・特定非営利活動法人日本きもの文化振興会
・特定非営利活動法人もったいないジャパン
3着物の発送時は梱包方法に注意すること
着物はそれほど大型の商品ではないため、ゆうパックやクロネコヤマト宅急便、佐川急便飛脚宅配便などで発送することができます。
気を付けたいのが梱包方法。
せっかく綺麗な着物でも、梱包が雑だとしわや折り目が付いてしまう可能性があります。
到着したときに譲渡相手ががっかりしないよう、輸送に適した梱包をおこないましょう。
運賃を抑えたい場合は紙袋やビニール袋に入れても構いませんが、雨濡れしないよう二重にしてください。が、あくまでも簡易包装のため高価な着物には向いていません。
≪着物の梱包方法≫
三つ折りにした着物の上に伝統証紙を置き、薄紙で包みます。
雨濡れを防ぐためビニール袋に入れることを忘れないでください。
(複数着ある場合は透明な袋に個包装すると良いです)
髪飾りなど壊れやすい小物類は緩衝材に包みます。
着物とは別にレターパックなどを利用して発送しても良いでしょう。
着物の梱包には基本的に段ボール箱を利用します。
(元箱や桐箱があればそれを用いるのがベターです)
できるだけ浅く大きめの段ボール箱を選びます。
(組み立て式の場合は底抜けしないよう、十字貼りや貼りをしてください)
着物に対して段ボールのサイズが大きい場合、隙間を埋めるように小物類を入れていくのがポイント。掛け衿はぐるぐる巻きにしてしまうとクセが付いてしまうので、まっすぐの状態で段ボールの端に立てて入れます。
どうしても隙間が埋まらないときは、エアーキャップで上から抑えることで輸送中に品物がずれるのを防いでください。
着物はゴミとして廃棄できる?自治体に回収してもらう方法とは
「何十年も前の古い着物で買取は難しいといわれた」
「柄も地味でノーブランドだから譲るのに抵抗がある」
という場合、着物をゴミとして処分するのも一つの選択肢です。ここでは、着物を自治体に回収してもらう方法をご説明いたします。
1自治体に古着として回収してもらえます
ゴミに出す前に“リサイクル”を考えてあげるのが着物にとっても嬉しいでしょう。
着物は衣類に分類されるため、自治体で古着として回収してもらうことが可能です。
例えば、世田谷区では町会や自治会などが春や秋の衣替えの時期に年二回ほど回収をおこなっています。
回収された着物は衣類として再利用されるか、もしくは裁断されたのち資源としてリサイクルされます。
ただし、武蔵野市のように回収不可(着物や浴衣はゴミに出す)というケースも。着物の回収の有無や回収日、回収場所などは各自治体によって異なるためご自身の住まいの市区町村の施設やホームページなどで確認してください。
2着物は可燃ごみに出すことが可能です
着物を回収している自治体は多いですが、ほとんどの場合が汚れやしみ、カビ、臭いのついている衣類は回収できないとしています。
そのため、再利用できそうにない着物を自治体で回収してもらうには、ゴミに出すしか方法はありません。
一般的には着物を含む衣類は可燃ごみ(燃えるゴミ)として廃棄することが可能です。
一例として挙げると、江東区や渋谷区は可燃ごみとして週2回回収しており、収集日の朝8時までに集積所に出すという決まりになっています。板橋区のように週3回回収していたり武蔵野市のように週2回市指定有料ゴミ袋に入れて収集日の朝9時までに集積所に出す地区もあります。
着物の回収の有無や回収日、回収場所などは各自治体によって異なります。着物をゴミに出す際には、必ずお住いの市区町村の施設やホームページなどで確認してください。
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手間も時間もかけたくない!着物の処分を不用品回収業者に頼む方法
買取も譲渡も難しい着物…。
自治体のゴミに出すのが面倒だったり、そもそも自治体で廃棄してもらえない場合もあるでしょう。
そんなときは、着物の処分を不用品回収業者に依頼するのがベターです。
1不用品回収業者に依頼するメリット・デメリット
着物の処分を不用品回収業者に任せる最大のメリットといえるのが、手間や時間がかからないことです。
売却や譲渡する場合は自分で店舗に持って行ったり発送作業をおこなったりしなければなりません。廃棄する場合は、朝決められた時間までに集積所にゴミ袋を出さねばならずライフサイクルによってはすぐに実行できないこともあります。
不用品回収業者への依頼は電話1本で済む場合がほとんどで、ホームページのメールフォームに必要事項を入力し送信するだけで良いこともあるのです。
引越しの掃除など急ぎで処分したいときにも対応してもらえます。
デメリットはやはりお金を払わなければならないことでしょう。
料金システムは業者によって異なるため、高額料金の“ぼったくり”に合わない注意が必要です。
着物をゴミとして捨てるのは最終手段です
着物は海外需要が高く、リユースやリサイクルが可能です。
ゴミとして廃棄してしまうのは少々もったいない気がしませんか?
着物をゴミに捨ててしまうのは最終手段と考え、まずは買取や譲渡、回収などの検討をしてみてください。
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