供養する?処分する?だるまを正しく片づけるには

縁起物でもあるだるまは、できるだけ粗末にならないように処分したいところです。願掛けをして願いを叶えてくれた後や、片付けの際に、古くなっただるまの処分方法がわからず困ってしまった、という方もいるかもしれません。
今回は、そんなだるまの具体的な処分の方法について解説します。

目次
  1. 1. だるまとは
  2. 1.1. 1だるまの購入場所
  3. 1.1. 2願掛けの期限はいつまで?
  4. 1. だるまの起源について
  5. 1.1. 1なぜ縁起物とされているのか
  6. 1. だるまの具体的な処分方法
  7. 1.1. 1だるま供養をしてくれる寺社に持ち込む
  8. 1.1. 2「どんど焼き」に持ち込む
  9. 1.1. 3人形供養をしてくれる寺社に持ち込む
  10. 1.1. 4オークションサイトやフリマアプリへの出品・譲渡
  11. 1. だるまを廃棄物として処分するには?
  12. 1.1. 1ごみの区分を確認する
  13. 1.1. 2だるまの大きさによっては粗大ごみに当てはまる場合も
  14. 1. だるまを業者に引き取ってもらう場合
  15. 1.1. 1無料回収業者には依頼しないほうが良い
  16. 1.1. 2有料回収業者に依頼する
  17. 1. 願いを叶えてくれただるまはなるべく供養を

だるまとは

「だるまさん」の愛称で知られるだるま。いかめしい顔をしていますが、コロンとした形がかわいらしい印象も与えてくれる開運アイテムです。和風のインテリアによく合う置物や、願掛けのためのアイテムとして江戸時代から愛され続けています。

最近は一般家庭でだるまを買う機会は少なくなりましたが、今でも合格祈願や必勝祈願の際にだるまを買い求める人もいるようです。

最もだるまをよく見るのは、やはり選挙中継の時でしょうか。願掛けをする際に、正面から見て左目の瞳を描き、願いが叶ったときや区切りがついたときに正面から見て右目を描き入れる、という独特の使い方は、実際にだるまを使ったことがなくても知っている方も多いでしょう。

 

1だるまの購入場所

だるまは様々な場所で売られています。だるまにまつわるイベントで、最も有名なのが「だるま市」です。

各地のだるま寺を中心に開かれるこのイベントは、だるまの供養だけではなく、地元のだるま製造者がだるまを持ち寄って販売する即売会も兼ねているイベントです。

・群馬県高崎市の「少林山達磨寺」
・静岡県富士市の「毘沙門天妙法寺」
・東京都調布市の「深大寺」

以上は「日本三大だるま市」と呼ばれており、毎年1月から3月の冬の期間にだるまを供養、販売しています。

近所にだるま寺がない場合、最も手軽に購入できるのは通販です。吉田だるまでは、全国の生産量の実に8割のシェアを占める高崎だるまを通販で購入することができます。

クラシックなデザインのだるまから、小さくてカラフルなだるま、個性的な顔や服を着ただるまで、様々なだるまを取り扱っています。

オーケストラだるまやペットだるまなど、他ではあまり見かけないようなデザインのものも揃っているので、見ているだけでも楽しいです。

【吉田だるま(http://www.yoshida-daruma.com/)】

 

2願掛けの期限はいつまで?

一般的に、だるまにかけた願掛けの期限は1年間と言われています。

1年間が過ぎたら、願いが叶っていなくても区切りのために右目を入れて、供養をしてあげるのが良いでしょう。また、1年が経っていなくても、自分の中で区切りがついたと思った時に右目を入れても構いません。

続けて願掛けをしたい場合は、供養を終えてから新しいだるまを買い求めて、改めて願掛けをします。

 

だるまの起源について

では何故、現在のような丸くて瞳の入っていない像が「だるま」と呼ばれているのでしょうか。

「だるま」は漢字で「達磨」と表記します。この「達磨」は、禅宗の開祖である達磨大師の名前に由来しています。

達磨大師は、壁に向かって9年もの間座禅を組むという厳しい修行の結果、手足が腐ってしまったと言われています。だるまが丸い形をしているのは、手足をなくした達磨大師が法衣を被っている姿を模しているためです。

達磨大師を描いた作品で最も有名なのは、水墨画の重鎮・雪舟が描いた慧可断臂図(えかだんぴず)でしょう。この作品の右側に堂々と座っている人物が、だるまの起源となった達磨大師です。

【京都国立博物館 (https://www.kyohaku.go.jp/jp/)】

 

1なぜ縁起物とされているのか

一般的なだるまのイメージといえば、丸いフォルムに赤い色のだるまを思い浮かべる方がほとんどだと思います。

赤は魔除けの色、そして高位の僧の法衣の色とされています。そして、丸い形は「災いを転じて福となす」「七転び八起き」など、達磨大師の不屈の精神と通じる点があるとされ、粘り強く目標を達成できるようにという意味がつけられています。

だるまが今のような形で流行し始めたのは、江戸時代のことでした。中国で健康祈願のお守りとして親しまれていただるまが長崎に入ってきて、そこから日本でも幸運の像として人気を集めるようになりました。

 

だるまの具体的な処分方法

縁起物でもあるだるまは、できるだけ粗末にならないように処分したいところです。願掛けをして願いを叶えてくれた後や、片付けの際に、古くなっただるまの処分方法がわからず困ってしまった、という方もいるかもしれません。

今回は、そんなだるまの具体的な処分の方法について解説します。
なお、廃棄のルールは東京都世田谷区のルールを基準としています。お住まいの自治体によってルールが異なる場合がありますので、必ず処分前にお住まいの地域のゴミ出しのルールを確認してから廃棄するようにしてください。

 

1だるま供養をしてくれる寺社に持ち込む

役目を終えただるまを「だるま供養」をしてくれるお寺に持ち込むと、だるまの供養をしてくれます。だるま寺は達磨大師と縁の深い禅宗の系列であることも多いので、だるま寺による供養が最も望ましい処分の仕方と言えるでしょう。

 

2「どんど焼き」に持ち込む

正月明けの15日頃、神社などで役目を終えたしめ縄やお札などを焚き上げて処分する「どんど焼き」が行われていることがあります。ここにだるまを持ち込むと、他のものと一緒にお焚き上げで供養を行ってくれます。

最近ではどんど焼きを行っていない場所も多く、正月明けの一週間くらいの日程でしか行われないため日時も限られてしまいますが、年度の区切りに右目を入れただるまの供養におすすめです。

 

3人形供養をしてくれる寺社に持ち込む

【みんなのお焚き上げ(https://www.otakiage.com/)】

人形供養を行っている神社やお寺にだるまを持ち込むと、他の人形と一緒に供養を行ってくれます。ただし、だるまは禅宗に由来するものなので、可能であれば神社よりは禅宗系列のお寺での供養が望ましいです。

近くに人形供養を行っている神社やお寺がない場合は、みんなのお焚き上げなどの郵送で送れる人形供養サービスもおすすめです。供養が完了すると完了報告も送ってくれるので、だるまを送ったはいいけどその後どうなったか分からない、という不安も解消することができます。

 

4オークションサイトやフリマアプリへの出品・譲渡

【メルカリ(https://www.mercari.com/jp/)】

【ヤフオク!(https://auctions.yahoo.co.jp/)】

【ジモティー(https://jmty.jp/select)】

願掛けをしていない未使用品や、飾り物として使っていただるまの場合、メルカリやラクマなどのフリマアプリ、ヤフオクなどのオークションサイトへ出品したり、ジモティーのような地域限定掲示板を使って欲しい人に譲渡することもできます。
画像はメルカリの「だるま 置物」の検索結果です。民芸品や飾り物など、インテリアとしてのだるまが多く出品されています。

ただし、願掛けをしただるまを出品や譲渡で処分するのはやめましょう。役目を終えただるまには人の想いがこもっています。そのようなだるまは、人の手に渡すのではなく、供養か廃棄という形での処分が望ましいです。

 

だるまを廃棄物として処分するには?

どうしてもだるまを引き取ってくれるお寺や神社が近所にないという場合は、廃棄物として処分することもできます。

ただし、だるまのサイズによっては粗大ごみとして処分しなければならない場合もありますので、必ず区分を確認してから処分するようにしましょう。

また、願掛けをしていただるまの場合は、供養ができないかわりに、処分する前にだるまに願いを叶えるために頑張ってくれたことに対する今までの感謝してから処分するようにしましょう。

 

1ごみの区分を確認する

今回は東京都世田谷区の廃棄ルールを例にして解説します。
民芸品として作られているだるまは和紙と竹などの張り子で作られているものが多いですが、中には耐久性のためにプラスチックが使われているだるまもあります。

東京都世田谷区の区分では紙製でもプラスチック製でも可燃ごみですが、お住まいの自治体により、プラスチック製品はプラスチックゴミとして回収するなど、可燃ごみとして出してはいけない場所もあります。素材を確認し、正しく分別するようにしましょう。

 

2だるまの大きさによっては粗大ごみに当てはまる場合も

東京都世田谷区の場合、全長30センチ以上あるものは全て粗大ごみという区分になります。だるまの中には大きなサイズのものもあるので、大きなだるまは必ずサイズを測定してから処分するようにしましょう。

粗大ごみを廃棄する場合、回収には事前の申し込みが必要です。まず、世田谷区粗大ごみ受付センターにアクセスし、粗大ごみの回収を依頼します

収集の日程と料金についての案内が来たら、案内にしたがって処理券を購入し、廃棄するものに貼っておきましょう。

処理券は区内のスーパーやコンビニ(セブンイレブンなど)で販売しています。200円のA券と300円のB券を組み合わせて、指定された金額ちょうどになるように用意しておいてください。

 

処理券を貼り付けたら、回収日の朝8時に家の外に出しておきます。あとは粗大ごみ回収センターのスタッフが引き取ってくれますので、回収次第処分完了です。

なお、粗大ごみの回収方法は自治体によって方法が異なります。必ずお住まいの市町村のルールに従って出すようにしてください。

※弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

 

だるまを業者に引き取ってもらう場合

だるまを業者に引き取ってもらう場合、お焚き上げや人形供養に出すよりも費用がかかることがほとんどです。しかし、遺品整理や大規模な片付けの場合、業者を利用したほうが効率よく処分できることもあります。

 

1無料回収業者には依頼しないほうが良い

町内を巡回している無料回収業者は利用しないようにしましょう。無料回収業者は無資格での営業をしていることも多く、このような業者を利用すると不法投棄になってしまいます。

また、無料で回収すると謳っておきながら回収には費用が掛かる、と高額な料金を徴収する悪徳業者もいます。トラブルに繋がりますので、無料回収業者に引き取りを依頼するのはやめましょう。

 

2有料回収業者に依頼する

有料回収業者に依頼する場合、きちんと実績があり、処分にあたって資格を持っている業者を選びましょう。産業廃棄物収集運搬業の許可を取得していることはもちろん、リサイクルも行っている業者であれば古物商許可証などの資格も必要となります。

回収業を行う上で必要な資格ををきちんと取得している業者であれば、安心して任せることができます。また、見積もりや基本プランなどの料金体系を事前にきちんと提示してくれるかどうかも事前に確認しておきましょう。

 

願いを叶えてくれただるまはなるべく供養を

願い事を叶えてくれただるまは、なるべく供養をするようにしてあげるようにしましょう。特に願掛けをしていたり、故人が大切にしていたりと人の想いが込められたものは、そのまま廃棄するのは失礼にあたります。

可能ならばだるま寺へ供養するのがベストですが、難しい場合は、人形供養に出す、きちんと感謝してから処分するなど、願い事を聞いてくれただるまへの礼節を忘れないようにすることが大切です。