不用になった車イスって、どうすればいいの?
介護等で活躍してくれた車イスが不用になったら、どうすればいいのでしょうか?
まだ使用可能なものならば、捨ててしまうのはなんだか忍びないし、かといって、自宅に置いたままというのも、それなりのサイズがあるため、邪魔になってしまいます。
そこで、ここでは不用になった車イスの処分方法についてご紹介していきます。
目次
いろいろあります、車イスの種類
ひとくちに「車イス」といっても、いろいろなタイプがあります。
まずは車イスの主な種類についてご紹介しましょう。
すべての車イスは、「自走型」と「介助型」の2種類に大別することができます。
●自走型は、車イスを利用している人が自ら操作できるもの。介助者が後ろから押すことも可能です。車体の特徴としては、主に後輪に操作用のハンドルがついており、力がなくても動かせるように後輪が大きめ(20〜24インチ)で、車体そのものも介助型に比べると大きめにつくられており、安定感があります。
●介助型は、介助者が後ろから操作するタイプの車イスです。介助者の手押し用ハンドルに自転車のようなブレーキがついています。後輪は小さめ(12〜18インチ)で、小回りが効くなど、操作性に優れています。自走型に比べて、軽量で持ち運びやすい反面、安定感は少々劣ります。
その他、形状や機能、使い方などによって、いろいろな種類があります。
いくつかご紹介しましょう。
1電動タイプ
利用者が手で車輪をこぐ必要なく、利用者の手元のコントローラーで簡単に操作できる電動式の車イスです。車イスの弱点である、ちょっとした坂道も簡単にのぼることができます。
また、介助者の押すチカラをサポートする介助型の電動アシストタイプもあります。モーターとバッテリーが搭載されているため、重量があり、サイズも大きめです。
2ティルト/リクライニングタイプ
背もたれが倒れるリクライニングタイプや、背もたれと一緒に座面も倒れるティルトタイプの車イスがあります。前者のリクライニングタイプは利用者の障害部位などに応じて、楽な姿勢を取りやすいのが特徴です。
一方のティルトタイプは、リクライニング同様に利用者が楽な姿勢を取れるだけでなく、座面に力が集中しないため、長時間利用する際にお尻が痛くならないというメリットもあります。
3転倒防止フットレスト付タイプ
利用者が自ら車イスから降りようとして転倒してしまうケースが多くあります。その原因のひとつが、宙に浮いているフットレスト(足置き)に乗ってしまい、バランスが崩れて、車イスごと倒れてしまうというもの。
転倒防止用のフットレストが搭載された車イスは、利用者が立ち上がろうとする動作を感知するとフットレストが床面まで下がり、フットレストの上に体重をかけても転倒しないしくみになっています。
4軽量/折りたたみタイプ
一般的な車イスの重量は通常15kg程度ですが、近年は素材などの工夫により10kgを切る超軽量タイプも登場しています。軽量な車イスは操作しやすく、さらに折りたたみタイプなら、自動車に積んで出かけるなど、持ち運びにも便利です。
ただし、その反面で耐久性や安定感、乗り心地については少々劣るため、長時間継続して利用するには不向きです。
不用になった車イスを買い取ってもらう方法
不用になった車イスの処分方法として、買い取ってもらうという方法があります。
買取先としては以下のようなところが考えられます。
1買取ショップに依頼する
インターネットで「車イス 買取」などと検索すると出てくる買取ショップに依頼する方法があります。
車イスの売り先としては、あらゆるものの買取を行っている一般的な買取ショップと、介護用品を専門に扱っている買取ショップなどがあります。
一般的な買取ショップの場合、買取可能なものと不可のものがあるケースがあります。
使用感が少なく、状態の良いものは買い取ってもらえますが、逆に製造から年数の経っているもの、汚れているものなどは、たとえ動いたとしても買い取ってもらえないことがあります。
また、一般的な車イスの買取価格はおおむね1,000円程度なのに対し、電動車イスやリクライニング車イスのような機能性の高い車イスは、状態によるものの、3,000円〜40,000円くらいの高値で買い取ってもらえる可能性があります。
ちなみに、車イスの買取に力を入れている「良品企画」では、買取条件として製造からおおむね10年以内のものとしています。とくに電動車イスやリクライニング車イスは買取強化中であり、高く買い取ってもらえる可能性があります。
車イス以外にも介護ベッドなども合わせて買い取ってもらいたい場合は、介護用品専門の買取ショップがおすすめです。
まとめて買い取ってもらうことで、買取金額が上がったり、使用感のある車イスでも買い取ってもらえることがあります。
なお、買取ショップを利用する場合、宅配便を使って商品を送るケースが多いのですが、車イスはサイズも重量もあるので梱包・発送が大変です。
できれば、出張買取に来てくれる買取ショップを探して、自宅に取りに来てもらいましょう。
ちなみに前述の「良品企画」は、首都圏、北海道、愛知、兵庫、愛媛に拠点を持っており、その周辺であれば、出張買取に対応しています。
2近所のリサイクルショップに依頼する
もし近所にリサイクルショップがあれば、そこに依頼するという方法があります。
近所であれば、お店に持って行くのもそれほど苦になりませんし、場合によっては自宅まで引き取りに来てくれるかもしれません。
こうしたリサイクルショップの場合、買取金額はあまり期待できませんが、使えるものであれば、多少古いものや使用感のあるものも買い取ってくれることがあります。
3フリマサイトやオークションサイトで売る
最も高く売れる可能性があるのが、「ヤフオク!」のようなネットオークションや、「メルカリ」のようなフリマサイトで売るという方法です。
車イスは、ある意味、生活必需品ですので、タイミング良く必要とする人が現れれば、買取ショップなどより高い価格で売れることがあります。
ちなみに、ヤフオク!を見てみると、車イスの出品は2,000件近くあり(2019年10月現在)、状態の良いものについては数多くの入札・落札があります。
なかでも、新品で購入すると15万円以上するような電動車イスが多く落札されており、落札価格の平均は約5万円となっています。なお、車イス全体の落札相場の平均は約2万円です。
こうしたサイトは高く売れる可能性がある反面、出品するには撮影して特徴や状態を書き込むなどの手間がかかりますし、出品したからといって必ずしも売れるとは限りません。また、もし取引が成立しても、車イスを壊れないように梱包、発送するなどの作業が発生します。
もしも梱包・発送の手間をかけたくないという場合は、たとえば、地元限定の掲示板サイト「ジモティー」などに出品して、自宅近くまで引き取りに来てもらえる人限定で販売するという方法もあります。
不用になった車イスは寄付しませんか?
不用になった車イスを売ってお金にしたいとは思わないけど、まだ使えるので有効活用してほしいという方もおられるのではないでしょうか。
そういう方はぜひ車イスを求めている福祉団体やボランティア団体などに寄付されることをおすすめします。
寄付の場合、基本的に送料は自己負担になるため、お金がかかってしまいますが、エコや社会貢献という意識で協力されてみてはいかがでしょうか?
中古の車イスの寄付を募っているところをいくつかご紹介しましょう。
1AJU車いすセンター
名古屋を拠点に活動する社会福祉法人で、寄付された中古の車イスをメンテナンスし、障がいがありながら十分な支援を受けられない人などに、車イスの貸し出しを行っています。寄付の方法については、同センターにお問い合わせください。
2さくら車いすプロジェクト
電動車イスをアジア各国の障がい者の人々に送る活動を行っているNPO法人です。
電動車イスの寄付を希望される場合は、メールやFAXで申し込んだ後、送料自己負担で集荷場に送付します。なお、関東近郊であれば、集荷も可能ですが、その際は協力金をお願いしています。
上記のようにインターネットで呼びかけている団体のほか、お住まいの地域の社会福祉協議会に問い合わせると、車イスを求めている地元の施設やボランティアグループなどを紹介してくれることがあります。
車イスを廃棄するには
壊れて使えなくなってしまった車イスや、買い取り手も引き取り手もつかない車イスの場合は、廃棄せざるを得ません。
車イスの廃棄方法についてご紹介しましょう。
1自治体に回収してもらう
廃棄方法として、まず頭に浮かぶのが自治体に回収してもらうという方法でしょう。
ほとんどの自治体が、一辺30cm以上の廃棄物は粗大ごみに分類していることから、車イスは粗大ごみとして扱われます。
粗大ごみの回収手数料や回収方法などは地域によって異なりますので、お住まいの自治体のホームページ等でご確認ください。
車イスの場合、800円程度で回収してもらえるケースが多く、まずはお住まいの自治体の粗大ごみ受付に電話やインターネットで回収を申し込みます。そして、コンビニ、商店等で「粗大ごみ処理券」を回収金額分購入して、車イスの目立つところに貼り、指定された日時に定められた場所に出すことになります。
粗大ごみとして捨てる方法は、安い金額で収集してもらえる一方で、収集日が限られていたり、収集場所まで自ら持っていかなくてはならないという面があります。
2不用品回収業者に回収してもらう
廃棄方法として、不用品回収業者に依頼するという方法もあります。
自治体の回収に比べると費用は高くなりますが、希望の日時に自宅まで回収に来てくれること、車イス以外の不用品も合わせて回収してくれることなどのメリットがあります。
特に転居前などで時間がないのに廃棄したいものがたくさんある場合には、とても便利で、タイミングが合えば、連絡したその日のうちに回収に来てもらえることもあります。
費用が心配な場合は、事前に見積りを取って概算費用を出してもらいましょう。
なお、不用品回収業者を名乗る業者のなかには、不当に高い回収費用を請求したり、回収した不用品を不法投棄するような悪徳な業者も潜んでいます。
不用品回収業者を利用する場合は「一般廃棄物処理業」の許可を持った適正な業者を選ぶようにしてください。
車イスを処分するには
不用になった車イスの処分方法についてご紹介してきました。
ご家族を守ってくれた車イスです。
もしまだ十分に使えるような状態であれば、買取ショップ等に売却したり、欲しい人にあげたり、寄付するなどして、できるだけリユースするようにしたいですね。
しかし、もう使える状態でないものや買い手・もらい手がつかないものについては、やむを得ず廃棄処分せざるを得ません。
通常は粗大ごみとして自治体の回収を依頼するのが一般的ですが、忙しくて時間がないなどの理由で粗大ごみの収集日に合わせられないというケースや、車イス以外にも介護ベッドなど処分したいものがたくさんあるというケースは、いちばん手っ取り早い不用品回収業者に依頼するのがオススメです。
まずはどれくらい費用がかかるのか、見積りだけでも気軽にお願いしてみてはいかがでしょうか。